およそ雷蔵くらい、いわゆる評判のいい青年はいない。というより、はでな生活とはおよそかけはなれた、おとなしい性格である。時にはそうした内向性が、交際しにくい奴だといわれる欠点はある。酒にしてもスタッフなり会社の人たちとお義理で飲む以外は、どんな会でもある程度席にいたのち、さっさと家に帰ってしまうほどだ。

 そんなわわけで、とかくゴシップの多い京都のスターのなかでは取沙汰のないスターである。結婚話なり、スキャンダルが彼の周辺をにぎわしたところで、彼を知る人は全面的に否定し、信用しないのが常である。 

 現在、彼の後援会には平均二十八歳の女性が二千五百人もいて、雷蔵人気のいしずえとなっている。