新しい会誌が発刊される事は、私にとっては大変喜ばしい事です。映画館のスクリーン上での交わりしかないファンの皆さんと、より親密の度を増す上にも、立派な会誌が出来上りますことを期待するものです。

 皆さんが想像以上に私には時間がありません。ですから、後援会の皆さんと一緒に過す日も一年に一回か二回です。定めし皆さんの中には、何の為の後援会かとお思いになる方がいらっしゃると存じます。私も誠に申し訳ないと思っております。しかし、時間がないと云っても遊んでいるのではありません。

 どうか皆さんの御期待に背かぬ様に、立派な俳優になろうと仕事に精を出しております。私の仕事の支えである皆さん、御声援下さる後援会の皆さんには、私がより立派な優秀なる演技者になることが、皆さんの声援に応える只一つの道と思っております。

 私達は、どんな暑い時も、又、どんなに寒い時も、皆さんに楽しく観て頂ける映画にと努力しておりますが、これに対する皆さんの厳しい批評、声援がなければ進歩しません。皆さんの大いなる声援があってこそ、私達の仕事が報いられるのです。

 私も益々精進して、皆さんに年頭迄に送る作品に『稲妻街道』『鳴門秘帖』『鬼火駕籠』『桃太郎侍』『月姫系図』等、着々準備にかかっておりますから御期待下さい。

 

(09/18/57発行 よ志哉創刊号より)