市川雷蔵丈の為にこの度、東京に後援会の発足出来たことは、非常に嬉しいことです。そして、機関誌を創刊されます事はこの上もない喜びでございます。これも皆様の御苦労と御協力の賜と心からお祝い申上げます。
市川雷蔵丈は、今は亡き市川九団次の息子として、花の都京都に生れ、関西歌舞伎で若手俳優として活躍、清潔で素直な中々の芸熱心な親愛の持てる人で、前途を宿望されておりました。その後、彼の持前の明るさ、その技量が買われ、関西歌舞伎の大御所市川寿海丈に認められ、養子として迎えられました。
ところが三年前、突然映画俳優として大映から現われ、デビュー作『花の白虎隊』以来、既に出演作品三十三本、彼のたゆまぬ研究努力が着実に芸を磨く大スターの存在となり、大映の秘蔵ッ子として益々今後の活躍を期待されております。
折角、後援会ができたとなれば、私達後援者として、一致団結して彼の為に、支援を惜しまぬものです。彼はそれに答える如く、今後優秀なる映画を私達の前に発表されることでしょう。
どうぞ今後ますます、会の発展と共に会誌が立派に成長されますようお祈り申上げます。
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