これらは市川生誕100年を迎える今年、第65回ベルリン国際映画祭フォーラム部門に出品された作品。同映画祭で上映された、オリジナルネガを4K解像度でスキャンし、4Kのままデジタル修復を施した高画質な映像をBlu-ray化する。

　Blu-rayには、各作品の復刻シナリオとブックレットを同封。また3作品を収めた「市川崑 4K Master Blu-ray BOX」も同日に発売される。BOXの特典には、過去に収録された市川のインタビューを長尺に再編集した「市川崑 映像の秘密」ほか約60分の特典DVD、6mmテープに残された3作品の特製サントラCDがそろう。

　市川雷蔵が主演を務めた『炎上』は、三島由紀夫の小説「金閣寺」を原作にしたヒューマンドラマで、国宝に火を放つ吃音の青年の姿を描く。岸惠子と川口浩が姉弟を演じた『おとうと』では、継母との折り合いが取れず不良化する弟と、その弟に愛情を注ぐ勝気な姉の関係が捉えられる。長谷川一夫の“出演300本記念映画”として制作された時代劇『雪之丞変化』には、長谷川のほか市川雷蔵、勝新太郎、山本富士子、若尾文子ら錚々たる顔ぶれが並ぶ。