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よみがえる日本映画vol.4[大映篇]
―映画保存のための特別事業費による

2012年4月11日(水)〜5月4日(金)

 フィルムセンターでは、平成21年度補正予算から映画保存のための特別事業費を得て、通常の収集活動では困難なフィルム・コレクションの拡充や原版素材の整備に取り組んできました。事業の実施にあたっては、次のような二つの方針が定められました。

(1)フィルムセンターがこれまでに収集した貴重なフィルムから保存用のネガと上映用のニュー・プリントを作成する。

(2)映画会社が保管している旧作映画のうち、既にネガが失われマスター・ポジ、上映プリントのみが残されている作品を調査して、ネガとニュー・プリントの作成を行う。

 今回の特別事業により、既存のコレクションからの原版作成は159作品、映画会社からの購入は173作品、総数では332作品(フィルムの総数は909本)が新たにフィルムセンターのコレクションとして収蔵されることになりました。

 とりわけ後者は、これまでフィルムセンターでの収集がかなわなかった作品、映画館のスクリーンでは久しく見ることができなかった作品がほとんどを占めています。それらをまとめて紹介する企画の第4弾として大映の映画を特集する今回は、同社の創立(1942年)後1950年代にかけての主要作品を中心に、計24本を紹介するプログラムとなります。ニュー・プリントで甦った日本映画をフィルムセンターの大スクリーンでお楽しみください。

1 青空交響樂 (87分・35mm・白黒)
2 風雪の春(100分・35mm・白黒)
3 別れも愉し(65分・35mm・白黒)
4 犯罪者は誰か(75分・35mm・白黒) 
5 へうたんから出た駒(66分・35mm・白黒)
6 彼と彼女は行く(82分・35mm・白黒)
7 雷雨(80分・35mm・白黒)
8 修道院の花嫁(76分・35mm・白黒)
9 花咲く家族(81分・35mm・白黒)
10 看護婦の日記(76分・35mm・白黒)
11 美しき豹(85分・35mm・白黒)
12 情熱の人魚(63分・35mm・白黒)
13 母紅梅(83分・35mm・白黒)
14 月よりの使者(86分・35mm・白黒)
15 火山脈(112分・35mm・白黒)
16 虚無僧屋敷(89分・35mm・白黒)
17 美しき鷹(88分・35mm・白黒)
18 此村大吉(94分・35mm・白黒)
19 帰って来た幽霊(87分・35mm・白黒)
20 花の渡り鳥(80分・35mm・白黒)
4/18(水) 4:00pm 4/26(木) 1:00pm 4/29(日) 2:00pm

 当時大映のトップスターであった長谷川一夫が主演した股旅ものの正月映画。川口松太郎の戯曲を犬塚稔が脚色。監督は股旅ものを得意とした田坂勝彦。長谷川・市川雷蔵・勝新太郎の三人が揃い踏みした初の作品でもある。

'56(大映京都)(監)田坂勝彦(原)川口松太郎(脚)犬塚稔(撮)牧田行正(美)上里義三(音)渡辺浦人(出)長谷川一夫、市川雷藏、木暮実千代、勝新太郎、清水谷薫、阿井美千子、夏目俊二、柳永二郎、香川良介

21 祇園の姉妹(90分・35mm・白黒)
22 編笠権八(65分・35mm・白黒)
4/19(木) 1:00pm 4/25(水) 4:00pm 5/4(金) 11:00am

 「眠狂四郎」シリーズに先駆けて、市川雷蔵がニヒルな剣士役を演じたといわれているのが本作。だが、ニヒルという語から期待されるのとは異なり、映画が進むにつれて雷蔵とヒロイン(近藤)の恋のドラマがメインになる。原作は川口松太郎の同名戯曲。三隅研次の演出による、雷蔵がヒロインに剣術の稽古をつける場面のロング・ショットが印象的。

'56(大映京都)(監)三隅研次(原)川口松太郎(脚)松村正温(撮)相坂操一(美)菊地修平(音)鈴木静一(出)市川雷藏、近藤美惠子、三田登喜子、角梨枝子、夏目俊二、千葉登四男、水原浩一、荒木忍、藤間大輔、細川俊夫

23 一夜の百万長者(67分・35mm・白黒)
24 踊子(96分・35mm・白黒)

『地獄門』デジタル復元版特別上映会
4/28(土) 0:00pm 4/28(土) 4:30pm

 本特別プログラムでは、2011年にフィルムセンターと角川映画株式会社が共同でデジタル復元を行った『地獄門』(1953年)の上映を行うとともに、今回の復元を監修した森田富士郎キャメラマンと、復元作業を担当した株式会社IMAGICAの三浦和己氏をお招きして記念のトーク・イベントを開催します。

『地獄門』デジタル復元版 トークイベント(無料) 
4/28(土) 2:10pm

ゲスト:森田富士郎(撮影監督/『地獄門』デジタル復元監修)
    三浦和己(株式会社IMGICA)

*『地獄門』デジタル復元版特別上映は各回入替制です。0:00pmからの特別上映をご覧になった方はそのままトーク・イベントに参加することができます(トーク・イベントのみの参加もできます)。

 

会場=大ホール
定員=310名(各回入替制)
料金=一般500円/高校・大学生・シニア300円/小・中学生100円/障害者(付添者は原則1名まで)、キャンパスメンバーズは無料

★東京国立近代美術館60周年を記念して、誕生日当日のご入場は無料となります(証明できるものをご提示ください)。

発券=2階受付
・観覧券は当日・当該回のみ有効です。
・発券・開場は開映の30分前から行い、定員に達し次第締切ります。
・学生、シニア(65歳以上)、障害者、キャンパスメンバーズの方は、証明できるものをご提示ください。
・発券は各回1名につき1枚のみです。

★開映後の入場はできません。
★4月の休館日:月曜日、4月1日(日)−4月10日(火)