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時代劇の粋と美学
〜大映京都の二枚看板・田中徳三と三隅研次〜

2月9日(土)〜3月8日(金)

大映京都のアルチザン、田中徳三と三隅研次

 大映京都撮影所の由来は、1927年に開所した日活太秦撮影所が映画会社の戦時統合により、1942年、会社も名称も新たにしたことによる始まりです。戦後本格化された映画製作では、長谷川一夫や勝新、雷蔵らのスター俳優、そして照明・美術・撮影など卓越したスタッフ陣に支えられて多くの傑作を生み出しました。特に時代劇においては、いわゆる「チャンバラ」のイメージとは異なる耽美的な独自の世界観を築き、映画史に「大映京都」というジャンルとしてその名を残しました。今回は、プログラムピクチュアの黄金期に活躍した二人の職人監督を特集します。


田中徳三(たなかとくぞう 1920−2007)
 大阪出身。1948年、大映京都撮影所入社。世界的に評価された『雨月物語』『山椒太夫』『近松物語』『羅生門』等の助監督をつとめ、「グランプリ助監督」と呼ばれた。58年、『化け猫御用だ』で監督デビュー。『悪名』の大ヒットの他、「眠狂四郎」「座頭市」「兵隊やくざ」と、人気シリーズものも多く手掛け、生涯49本の作品を残した。

三隅研次(みすみけんじ 1921−1975)
 京都出身。1941年、日活太秦撮影所入社。翌年召集され、戦後、大映京都撮影所に復職。伊藤大輔、衣笠貞之助らの助監督を経て、54年『丹下左膳 こけ猿の壺』で監督デビュー。市川雷蔵とのコンビで『斬る』『剣』『剣鬼』の「剣三部作」を生み出すなど、大映時代劇の名匠として語り継がれている。

1.『疵千両』 昭和35年 白黒 監督:田中徳三 出演:長谷川一夫、香川京子、小林勝彦、河津清三郎、弓恵子  *16mm上映
2.『鯉名の銀平』 昭和36年 白黒 監督:田中徳三 出演:市川雷蔵、中村玉緒、成田純一郎、大辻伺郎、石黒達也
3.『裁かれる越前守』 昭和37年 白黒 監督:田中徳三 出演:長谷川一夫、勝新太郎、中村玉緒、月丘夢路、丹阿弥谷津子
4.『剣に賭ける』 昭和37年 カラー 監督:田中徳三 出演:市川雷蔵、高千穂ひづる、高野通子、万里昌代、天知茂
5.『手討』 昭和38年 カラー 監督:田中徳三 出演:市川雷蔵、藤由紀子、城健三郎(若山富三郎)、成田純一郎、中村豊
6.『乞食大将』 昭和39年 カラー 監督:田中徳三 出演:勝新太郎、藤由紀子、藤巻潤、城健三朗(若山富三郎)、田村正和
7.赤い手裏剣』  昭和40年 カラー 監督:田中徳三 出演:市川雷蔵、小林千登勢、春川ますみ、南原宏治、須賀不二男
8.『秘録怪猫伝』 昭和44年 カラー 監督:田中徳三 出演:本郷功次郎、小林直美、亀井光代、戸浦六宏、毛利郁子

9.『丹下左膳  こけ猿の壺』 昭和29年 白黒 監督:三隅研次 出演:大河内伝次郎、高峰三枝子、三田登喜子、坂東好太郎、柳永二郎  *16mm上映
10.『千羽鶴秘帖』 昭和34年 白黒 監督:三隅研次 出演:市川雷蔵、鶴見丈二、左幸子、中村玉緒、弓恵子
11.『女妖』 昭和35年 カラー 監督:三隅研次 出演:山本富士子、野添ひとみ、叶順子、船越英二、高松英郎
12.『斬る』 昭和37年 カラー 監督:三隅研次 出演:市川雷蔵、藤村志保、渚まゆみ、万里昌代、天知茂
13.『眠狂四郎炎情剣』 昭和40年 カラー 監督:三隅研次 出演:市川雷蔵、中村玉緒、姿美千子、中原早苗、西村晃
14.『無法松の一生』 昭和40年 カラー 監督:三隅研次 出演:勝新太郎、有馬稲子、宇津井健、宮口精二、大辻伺郎
15.『二匹の用心棒』 昭和43年 カラー 監督:三隅研次 出演:本郷功次郎、長門勇、高田美和、赤座美代子、安部徹
16.『狐のくれた赤ん坊』 昭和46年 カラー 監督:三隅研次 出演:勝新太郎、大谷直子、中谷一郎、岸田森、藤原釜足

神保町シアター
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