大映の正月作品『眠狂四郎悪女狩り』(池広一夫監督)がこのほどクランクインした。今回は眠狂四郎がはじめて大奥に乗り込むということで、早くも話題を呼んでいるが、久しぶりに時代劇らしい豪華なセットが組まれ、にぎやかなムードで快調な撮影がすすめられている。

 衣装や小道具はもちろん、キャストもグッと豪華。藤村志保、朝丘雪路、久保菜穂子、松尾嘉代などいずれも劣らぬ色気女優陣が、それぞれ大奥の女や女忍者になってはなやかさを競う。

 大奥の物置きであるお駕籠新屋敷では私刑はもちろん、レスビアンや男を忍び込ませての不義密通などが行なわれているが、こんどの映画でも、女だけの城に繰りひろげられる好奇な出来事が、つぎつぎとスクリーンに写し出される。

 長い間病気で療養中だった市川雷蔵も、いますっかり健康を回復。「このシリーズも今回で十二本めを数えるわけですが、このへんでイメージアップをしたいと思っている。今回は、画面の美しさに加えて、躍動的な狂四郎の立ち回りを考えているんですが・・・」と元気に語っている。 (西スポ 11/26/68)