水戸黄門海を渡る

1961年7月12日(水)公開/1時間30分大映京都/カラーシネマスコープ

併映:「舞妓の休日」(西山正輝/本郷功次郎・中村玉緒)

企画 久保寺生郎
監督 渡辺邦男
原作 川内康範
脚本 川内康範・杜松吉
撮影 渡辺孝
美術 上里義三
照明 伊藤卓一
録音 海原幸夫
音楽 禍永久宏
助監督 西沢鋭治
スチール 小牧照
出演 長谷川一夫(水戸黄門・シャグシャイン)、勝新太郎(格さん)、野添ひとみ(ノサップ)、石黒達也(一柳甚左衛門)、宇治みさ子(こずえ)、藤原礼子(雷門のお新)、林成年(松前泰久)、千葉敏郎(ギルタン)、佐々十郎(ひょっとこの金次)、小堀明男(犬山陣十郎)、小町瑠美子(ウララ)、浜田雄史(砂田重助)
惹句 『幽霊船の謎異国の魔手風雲の危地に海を渡る天下の副将軍危うし!』『魔の幽霊船を追って、おなじみ黄門主従が北海に風雲を呼ぶ黄金時代劇

 

[ 解  説 ]

 助さん格さんのふたりをつれた天下の副将軍・水戸光圀の下情視察をかねた諸国漫遊のエピソードは、時代劇にはまたとない題材として映画の創生期から数限りなく映画化されて来たがこれもその一つ。しかしこの映画のいちばんの話題は、映画生活すでに三十年、これまでも数々の役柄をこなして来た長谷川一夫がこれだけはまだという黄門役に扮していること。

 白髪、白ヒゲの長谷川の黄門スタイルと聞いては映画ファンとしては見のがせないところであろう。更に長谷川はアイヌの大酋長に二役で扮し貫禄十分。物語は北海道にわたった黄門が悪人をほろぼしアイヌを相手に平和を説くというもの。共演は助さん格さんに市川雷蔵、勝新太郎のほか野添ひとみ、宇治みさこなど。監督渡辺邦男。

 川内康範の原作を、原作者自身と杜松吉が脚色し、『喧嘩富士』の渡辺邦男が監督したおなじみの時代劇。撮影も同じく渡辺孝。(大映スコープ・アグファカラー)( キネマ旬報より )

 

[ 略  筋 ]

 仙台にやってきた水戸黄門、助さん、格さんの一行は謎の幽霊船が流れついた事件に遭遇した。幽霊船は蝦夷松前藩の御用船、乗りこんだ黄門らは、船底で苦悶している若い武士を見つけた。助さんの友人松前藩士砂田重助だった。重助は、公儀献上の蝦夷地の測量図を奪われたと言って事切れた。

 黄門一行は北海道へ向った。松前藩城中では、測量図の奪われたことを知った藩主松前泰久は家老一柳甚左衛門らと善後策を練っていた。黄門らは公儀隠密の疑いをかけられ、松前藩士にとりおさえられた。城内に引きすえられた黄門主従。これを見た泰久はハッとなった。ニヤリとした黄門は、悠然と上座に座った。何の目的でと問う泰久に、ただ見物だと黄門はとぼける。家老一柳甚左衛門は、御用商人北海屋藤三と組んでアイヌ部落から甘い汁をすいとり、ゆくゆくは蝦夷地をわがものにしようとの野望にもえていた。−

アイヌ人を母に日本人を父にもつ、ユーカラ部落の大酋長シャグシャインは、日本人を敵視していた。甚左衛門らと気脈を通じるトマリ部落の酋長ギルタンは、シャグシャインの日本人に対する憤りを利用しようと機会を狙っていた。日本人部落では、黄門主従の機略でポイサポを捕虜にした。黄門はアイヌの反乱を鎮定しようと、ポイサポを引渡すことを条件に和平を申出た。人質として格さんを置いていくことにした。しかし、ポイサポが牢中で殺されてしまった。格さんが、ギルタンに襲われるシャグシャインの妹ノサップを助けた。ノサップは格さんに乙女心をもやした。

ギルタンの策謀もあり、アイヌの総攻撃が開始された。格さんに迫るアイヌの群れ。必死にかばうノサップ。ノサップの助言もあって、その時、黄門が現われ、和平を説いた。シャグシャインの心は動揺した。これを察知したギルタンは、甚左衛門、藤三らとともに黄門を襲った。しかし、黄門主従の活躍に、悪人たちは倒された。蝦夷地に平和が戻った。黄門主従は、シャグシャイン、ノサップに見送られて北海道をあとに、足のむくまま諸国漫遊の旅を続ける。( キネマ旬報より )

 

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