1962年5月12日(土)公開/1時間29分大映京都/カラーシネマスコープ

併映:「気楽な稼業と来たもんだ」(枝川弘/川崎敬三・植木等)

企画 竹谷豊一郎・藤山建彦
監督 井上芳夫
脚本 逸見多十
撮影 石田博
美術 山口熙
照明 伊藤幸夫
録音 長谷川光雄
音楽 西山登
助監督 帯盛
スチール 薫森良民
出演 本郷功次郎(加納周治)、中村鴈治郎(加納源次郎)、叶順子(佐久間礼子)、三条江梨子(中根由美子)、南都雄二(父 久太郎)、ミヤコ蝶々(母 君江)、大瀬康一(小坂洋一)、浪花千栄子(大野まさ)、中条静夫(後藤)、五月みどり(みどり)、北原謙二(チャー坊) 特別出演:長谷川一夫、京マチ子、若尾文子、山本富士子、勝新太郎
惹句 『あの顔この声その恋日本一ぞろいの豪華さ・楽しさ』『日本一の豪華ショウに、恋と出世をかけた新米サラリーマンの大奮斗』『映画の、歌の、日本一が揃った、年に一度の日本一祭り』『グッといかす物語アッと驚くこの顔ぶれオールスタアが勢ぞろい、唄って恋して笑って泣いて、みんなで踊る仲良し音頭

  

 

■ 解 説 ■

 『仲よし音頭、日本一だよ』は広告代理業の新米企画部員、本郷功次郎が、スポンサーにいじめられたり、上役におこられたりしながらも、恋人や、優しい父母の応援を得て遂に日本一のテレビショーを開催するという物語を、本郷の恋人に三条江梨子、スポンサーの令嬢に叶順子、先輩のテレビディレクター大瀬康一、父親に中村鴈治郎、別れた母親に、浪花千栄子、三条の父母のチンドン屋にミヤコ蝶々、南都雄二のコンビで描くもので、長谷川一夫、京マチ子、市川雷蔵、山本富士子、若尾文子、勝新太郎と、文字通り日本一のスタアが、物語に重要な役割を持つ役でそれぞれ出演、又、コロムビアの島倉千代子、村田英雄、五月みどり、それに十代のアイドル北原謙二が出演する豪華絢爛の青春娯楽大作である。

 企画は竹谷豊一郎と藤山建彦、脚本は逸見多十。監督は『北上川の初恋』、『女は夜霧に濡れている』の井上芳夫。撮影は石田博が担当する。(公開当時のプレスシートより)

■ 物 語 ■

 広告代理業「弘電社」の新米企画部員、加納周治は、大事なスポンサー日の丸電機の番組を商売仇の「有報堂」にとられっぱなしの現状を打開する命令を受け、はり切ってスタートを切ったが、前途は多難だ。まず先輩のテレビディレクター小坂の所へ相談に行ったが、あきらめたほうが良いと云われ、その夜飲みに行ったナイトクラブで、いばりくさって弘電社の悪口をいう日の丸電機の宣伝課長後藤をなぐり倒してしまい、いよいよ窮地に立たされた。

 偶然電車の中で知り合った喫茶ガール中根由美子は、日を追って周治に好意を抱くようになるが、その由美子に後藤が熱心なのを利用し、由美子の従兄として、後藤の前にもう一度現われるが、由美子を強引に旅館へ引っ張り込もうした後藤を、周治はもう一度、なぐり倒してしまうのだった。

 周治の父源次郎は、一見重役タイプだが、大阪でスッカラカンになり東京へ出て来て、古い仲間の久太郎・君江夫婦の家にころがり込んで、一緒にチンドン屋商売を始めるようになるが、久太郎、君江の子供由美子が、息子周治の恋人と知って驚き、由美子に自分が落ちぶれているのを周治に云わないでくれと、頼み込むのだった。

 周治が日の丸電機を持てあましているのを聞いた源次郎は、上京の際、汽車の中で知り合った日の丸電機の社長令嬢佐久間礼子を思い出し、周治をつれて日の丸電機へ乗り込んだ。そこで源次郎は周治のとめるのもきかず持ちまえの大風呂敷をひろげ、一流の映画スタアや歌手を集めたショーをやる計画を持ち出した。礼子や後藤がそれに乗ったのも無理はないが、その仕事を任された周治の方は今までよりよっぽど大変な立場になってしまった。

 以前撮影所の髪結いで、今では大阪で美容院をやっている大野まさに頼んでみたら何とかなるかも知れないと久太郎夫婦に云われた源次郎は、あまり乗り気になれなかった。実はまさは周治の母親だからなのだ。しかしわらをもつかみたい周治は、何も知らず大阪へ飛んだ。

 そして無論、二十年も見なかった息子の成長ぶりに感激したまさは、八方かけずり廻わって良い返事を持って来た。

 ショーの当日、長谷川一夫を筆頭に、京マチ子、市川雷蔵、山本富士子、若尾文子、勝新太郎と続々とスタアが集った。島倉千代子や村田英雄も歌った。ナイトクラブのホステスみどりやクリーニング屋のチャー坊も舞台に出て歌いまくった。みんなが丸い輪になって「日本一だよ」のメロディーで踊り始めるのを見ながら、周治と由美子は将来を誓い合うのだった。(公開当時のプレスシートより)

日本一だよ

作詞:西条八十 作曲:古賀政雄

一、   ハアー ソレ
   娘黒髪 太平洋の

     サアサ ヨイショ ヨイショネ

   風になびかせ 笑顔をそろえ
   さーさ音頭とれ まんまるまるく
   踊りゃ世界も コラショ まるくなる
     ア、日本一だよ この踊り
   世界でてらすよに はなやかに ソレ はなやかに
ニ、   ハアー ソレ
   さっとのぼった 明日の海によ

     サアサ ヨイショ ヨイショネ

   うかぶ島々 黒潮吼える
   国は小さいが こころはでかい
   意気も桜も コラショ 燃える国
     ア、日本一だよ この踊り
   桜咲くよに はなやかに ソレ はなやかに
  
一、   ハアー ソレ
   伸びる日本を 七巻き八巻きよ

     サアサ ヨイショ ヨイショネ

   踊る音頭は 世直し音頭
   なびく平和の 霞の空に
   富士もうかれて コラショ ちょいとのぞく
     ア、日本一だよ この踊り
   北も南も はなやかに ソレ はなやかに

 

アメリカという国にびっくりしました

●市川雷蔵・恭子夫妻のアメリカみやげ話●

−十七日間のハネムーン・アメリカ旅行で二人が見たもの、感じたことは?−

 三月二十七日に結婚式を終えて、その翌日からすぐに、ハワイ、アメリカへの新婚旅行に出かけていた市川雷蔵・恭子夫妻は、十七日間の旅程を終えて、四月十三日夜六時二十四分、羽田着のPAA機で二人とも元気に帰ってきた。

 ところが、旅の疲れをいやす間もなく、翌日の夕方には多摩川撮影所の『仲良し音頭・日本一だよ』(井上芳夫監督)のセットへ−。

 そこで、多摩川撮影所へ雷蔵を訪れて、楽しかった十七日間の“ハネムーン”の感想をきいてみた・・・。続きはここをクリック

 

 

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