“ぼんち”の開幕です

さてもうすぐ開幕です。皆様とごいっしょにいかがですか・・・・

ぼんち 四幕十場

第一幕

第一場 足袋問屋河内屋の店の間と中の間
昭和四年七月の始
第ニ場 奥の間と中の間
約一ヵ月後八月のある日

 皆様はすでに良く御存知と思いますこの物語の第一幕は、女の血統を守る為に来た喜久治の嫁弘子はその血統を守るために去らされる。それが喜久治の「一生嫁は持たへん」と云わせ、商いと女とを使いわけると云った結果になり、この作品の紹介場面。幕がおりると目に涙がこみあげて来るのには、この作品の良さを見せているためかもしれません。

第二幕

第一場 新町冨乃屋の座敷
第ニ場  同           夜
前幕より二年ほど後七月
第三場 河内屋の旦那部屋 数日後
第四場  同     旦那部屋 数日後の夜

 いよいよぽん太の淡島千景さんの登場、喜久治の茶屋遊びがはじまり、父喜兵衛は「気根性のあるぼんちになってや」と世を去るが、この幕あたりから、この劇独特のセリフのやりとりの奇珍さに笑いが起きて来る客席である。

第三幕

第一場 河内屋の店の間と中の間
一年後の初夏
第ニ場 新町橋
第三場 河内屋の旦那部屋 冬の夜

 ますます派手に遊び出した喜久治に、女の数もふえて来るが・・・妾の本宅うかがいと競馬に行って風邪を引き寝込む喜久治の姿に、同情やら笑いやらでこの劇の最高の雰囲気になって行きました。

第四幕

河内屋の焼残った商蔵
同 三月十四日の朝

 戦争で焼け残った蔵に喜久治の女達四人が集るこのシーンは、まさにぼんちという作品の帳尻を合すのふさわしい幕切れと、雷蔵さんの熱演に盛んな拍手が送られておりました。