祭ばやし 四景

 ぽっかりあいたセリが音楽につれて上って来ると、我知らずうっとりとしてしまう。寿海さんの鳶頭松吉、雷蔵さんの清吉、淡島さんの芸者お美代、まさにこの公演ならではの顔ぶれです。景がかわって喧嘩が起り、鳶の若い者と再びセリで上って来る雷蔵さんのその美しい事、そして夕立になり相合傘で寄りそう清吉とお美代。わずか二十五分たらずの短い踊りだが、洋楽に合せて踊る新しい試みに、なにか雷蔵さんらしい祭ばやしだと思いました。