道成寺物の原点が能楽『道成寺』。観世小次郎信光作といわれる『鐘巻』を切り詰め、乱拍子を中心に再構成したものといい、現行の能の中でも大曲の部類に入り、また位の高い作品として扱われている。
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「道成寺物(どうじょうじもの)」とよばれる作品群があり、これらの作品は、能の『道成寺』から、鐘供養に訪れた女性が舞を披露し、恨みの表情で鐘に飛び込む、という枠組みを取り入れている。
「道成寺物」は、元禄年間(1688年〜1704年)から上演されるようになるが、それらの作品を集大成したのが、1753(宝暦3)年に初代中村富十郎(なかむらとみじゅうろう)が初演した『京鹿子娘道成寺』である。
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能楽『道成寺』や歌舞伎『京鹿子娘道成寺』が安珍清姫伝説の後日談として作られたのに対し文楽の『日高川入相花王』(ひだかがわいりあいざくら)は、清姫本人も登場する、よりオリジナルに近い作品。
美しい清姫の顔が一瞬にして口の裂けた鬼の形相に変り大蛇となって日高川をわたる「渡しの段」が名高い。
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