[参考文献]
石川よし子編著『市川雷蔵』(1995年12月 三一書房)
野沢一馬著『剣 三隅研次の妖艶なる映像美』(1998年3月 四谷ラウンド)
臼井薫、円尾敏郎編『天知 茂』(1999年6月 ワイズ出版)
[三隅研次略歴]
1921年3月2日(3日とも)、京都生まれ。父は海運ブローカー、母は芸妓。立命館大学卒業後、日活へ。戦中は満州の防空隊に属していたが、ソ連軍に捕まり、3年以上をシベリアで過ごした。帰国後は大映に入社。衣笠貞之助の助監督を務めた後、1954年に『丹下左膳 こけ猿の壺』で監督デビュー。市川雷蔵、勝新太郎の出演作を多く手がけ、徐々に評価を高める。1962年から数年間は気力の充実した絶頂期で、「剣三部作」をはじめ、多くの傑作を世に送った。大映倒産後はTV時代劇でも辣腕をふるったが、赤江瀑原作『オイディプスの刃』の映画化を予定していた中、1975年9月24日、肝臓の病のため死去。