部落問題をテーマにした『破戒』『橋のない川』をはじめ、日本映画のなかで被差別の人びと・生活・仕事などが、どのように描かれているかを中世から現代までの歴史から綴る読み物。ドキュメンタリー映画や学習ビデオも紹介する。(中尾健次 解放出版社 06/30/06)。
島崎藤村の「破戒」は1906年に刊行され、日本文学史上、自然主義文学を確立した作品として知られています。そして、部落問題を題材にした作品としても、大きな意味をもっています。
主人公の瀬川丑松は、被差別部落出身の小学校教師です。しかし、父からその素性を絶対に明かすなと言い置かれていました。その“戒め”を破る物語が、文字どおり「破戒」の主題なのです。
「破戒」は、これまで二度映画化されていますが、ここでは、1962年に大映京都で製作された、市川崑監督のものを取り上げたいと思います。
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