セット撮影の一部を御紹介いたしましたが、意欲を見せているのはスタッフ、キャストばかりでなく、宣伝部も同じ事。「新聞広告の写真にも市川監督は注意を払う入念さで、報道関係も一日に幾社もかち合ってセット見学に訪れるといった具合で、それだけに期待も大きいわけです。又、全国の方々にもれなくこの作品を見に来ていただきたいと思って、努力しております」との事でした。
又、雷蔵さんの相手役に抜擢された藤村志保さんも「雷蔵さんの相手役になるなんて夢みたいです。ほんと云って雷蔵さんのファンなんですもの・・・今は一生懸命やるだけです。雷蔵さんも親切に指導して下さいますので・・・」と明るく答えていました。
ここで一寸つけ加えておきたい事は、「破戒」が最近、テレビでドラマ化され、その水準をぬく出来ばえと評判をとったものだけに、テレビと映画の違いを伺ってみました。
「テレビは三十分という枠の中、ドラマをはめこんでいく性格上、時には無理な構成をしなければならなかったりしますが、映画では画面はワイド、劇の盛り上げ方にも巾がもいてる、そういう意味からも、映画のよさを再認識してもらうのに絶好の素材だと思っている」との事でした。 |