新しい年を迎えて人々は例年のように今年一年の抱負を描き、そして実現への決意をみなぎらせ大いにハリキる。映画スターももちろんこの例にもれない。もれないどころか一作一作が人気のバロメーターの針に直結するせち辛い商売だけに真剣そのものである。

 ところで今年のホープはダレとダレか、54年の錦之助の驚異的進出に競うものはダレ、邦画各社の新人中特にこれという文字通りのホープを採上げてみよう。

 まもなく本読者呼応しての恒例の映画スター人気投票55年の幕がきって落されるが、今年は昨年にもまして新出スターの新出が期待されるとなれば、このスターのうちからわが生涯の輝ける年を飾るびは果してダレであろうか、興味ある展望である。

 

 市川雷蔵、川崎敬三、市川和子、小町瑠美子などだ。雷蔵は市川九団次の実子で(ママ)、市川寿海の養子となり七代目市川雷蔵(ママ)

 

 

 「地獄花」を発表して以来、一年四ヶ月ぶりにメガホンを握った伊藤大輔監督作品。撮影宮川一夫、脚本八尋不二。瓦版に刷ってはユスリを働く町のやくさ弁天小僧菊之助の話。

 菊之助に市川雷蔵の他勝新太郎、青山京子、阿井美千子、近藤美恵子、島田竜三が出演。

 文金高島田にもろ肌ぬいで大あぐら、胸のすくタンカをきかせる雷蔵初めての女装役が見もの。

 御用提灯は屋根の上にも橋の上にも迫るのだ。(「近代映画」59年1月号より)