僕の雷ちゃん見たまま記

　僕の一番の親友だと言えば、雷ちゃんにお叱りを受けるかも知れないが、大映の同じ仲間と言うよりも何か生れた時から、隣同志で育った様な気がする友人だ！

　大阪スタイルボンボンでテンシンランマン、おこる時は人一倍どなりつける彼だが、人一倍人情家で、中々ユーモラスな若様だ。彼と一番多く一緒に仕事をしている故か、彼も又、僕の事を一番良く知っていて呉れる。例えば、一緒の仕事で彼の前で失敗すると、「成年君、今日は少しアガリ気味ですな、少し落着いたらどうです」なんてキサクに云って呉れる雷ちゃん。僕から見れば細い若様も中々のファイトマンで勉強家、それでイバラないで、どんな人に話しかけられても、気取らないで遠慮なく話す雷ちゃんこそ、僕にとって時代劇映画の先輩であり、良き忠告者であり、悪友？でありムード音楽ファン、8ミリシネマの相棒であり、二人が会えば話しがつきない。それ位話題の豊富な雷ちゃんだ。

　男もホレる雷ちゃん、僕も雷ちゃんファンの一人で、彼の出演映画は今まで見逃した事がない。ヤクザ姿が似合って、若様もキレイでうっとりするし、誰もが至難としている前ダレ二枚目もぴったりだし・・・

　だけど僕はスクリーン外の素顔の雷ちゃんが一番好きだ。（1957・8・23 夜記す）

(よ志哉創刊号より)