雷蔵さんの運勢
眼は口よりものを言い
*未完成の大器*
みなさん。この写真を見ていると雷蔵さんがこう言っているように聞こえませんか?
『そんなにみつめないでくれないか。僕はテレ屋だし、気が弱いんですよ。』
ハニカミながら、そう言う雷蔵さんの顔は、本当にやさしさに溢れている柔和な顔です。この雷蔵さんを見ていると、一見、たよりないような、こっちでじっとしていられないといった気持を抱かせる、あるものを持っています。しかしです。私は、この柔和な、女性的な雷蔵さんに、非常にしっかりした、一本がっちりと筋の通った線を見ることができるのです。
さて、雷蔵さんの人相から、全体を大まかに占ってみましょう。それから、眼とか口、鼻の個々に渡って詳しく述べてみます。
まず、眉間が非常に美しく輝いています。今年が一種の転換期になっていることがこれで判ります。美しさは吉運の現れで、これは夢、希望といったものが叶えられるキザシなのです。さし当って、雷蔵さんの場合ならば、芸の上のことについて言えます。例えば、自分のやりたいと思っている役につくとか、望んでいる監督さんとお仕事が出来るというようなものです。
そして、雷蔵さんの人気というものは、ぱっと出てぱっと消える、線香花火のようなものでなく、着々その成果が現れる型の方で、じっくりと、人気の上に更に手固い人気を築く堅実なものです。
また、雷蔵さんは、人を押しのけてまで自分を売り込むとか、人の表面に出ようかとするたちでなく、実に静かに自分を表現しようとします。これは悪く言えば引っ込み事案で、気魄のない証拠ですが、逆に、この雷蔵さんの内部には、強烈なまでの、かっかと燃えている炎の如き強じんな力が秘められているということが出来ます。
この内への強い力は、どんなこともへこたれない粘りを意味していますが、この粘りこそ、芸に生涯をかける人のなくてはならなぬものですから、気魄や気力を培うように今後努力すれば、われらの雷蔵さんは、鬼に金棒どころか、この世に恐るべきものなしといった素晴らしい将来を約束されるのです。