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スターと監督
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2009.6.3-7.20 |
- 概要 - 前衛的な無声映画『狂った一頁』(1926年)、『十字路』(1928年)や、日本に初のカンヌ映画祭グランプリをもたらした『地獄門』(1953年)などで知られる巨匠監督、衣笠貞之助(1896-1982)。 林長二郎の芸名で1927年の『稚児の剣法』に初出演以来、類い無い美剣士スターとして爆発的な人気を集め、「二枚目」の代名詞として戦後もトップスターの座に君臨した長谷川一夫(1908‐1984)。 この二人が日本映画史上でも最良のコンビをうたわれたことは周知の通りです。ともに女形の役者経験を持つ彼らは、時代劇スターの不足に悩んでいた松竹京都(下加茂撮影所)に美麗な剣戟映画の路線を確立して全盛をもたらし、後には東宝、大映でも活躍の場をともにしながら、各社の看板作品を次々と世に送って、日本映画の黄金時代を牽引しました。 長谷川一夫の生誕100周年にあわせて開催される本企画では、コンビによる代表作はもちろん、無声映画時代から戦後1960年代までに作られた衣笠貞之助監督作品と長谷川一夫出演作品、計55本を通して、偉大な二人の映画人の足跡を回顧します。 会場=大ホール
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雷蔵出演作品スケジュール
薔薇いくたびか たがいに相手を想いつつも運命のいたずらに翻弄される男女を描いたすれちがいのメロドラマ。長谷川一夫は日本舞踊の家元の役で助演し、スーツ姿で関西弁を披露する。数年後に大映のトップスターに成長する若手俳優たちの生き生きした演技も見物。
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月形半平太 花の巻 嵐の巻 1925年の新国劇オリジナルキャスト版以来となる、衣笠による二度目の映画化。開巻の三条大橋のオープンセットから観客は、これぞ時代劇の極みという衣笠の世界に引きずり込まれていく。長谷川一夫も勤皇志士の内紛から暗殺される半平太を楽しそうに演じている。
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鳴門秘帖 吉川英治の出世作の映画化。衣笠は『甲賀屋敷』として長谷川一夫・山田五十鈴のコンビで1949年にも映画化している。原作の錯綜した筋立てを整理整頓し、一級の娯楽作品に仕立て上げた衣笠の手腕は見事といえる。長谷川一夫と組んだ最後の映画作品でもある。
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源氏物語 浮舟 紫式部の「源氏物語」を直接的な原作とはしない、北條秀司の同名戯曲の映画化。そのため長谷川一夫演じる薫の君は、現代的な純愛の信奉者として描かれている。王朝時代を再現する絢爛豪華な美術と華麗なカメラワークもあいまって異色の源氏物語となった。
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忠臣蔵 大映創立18年を記念して製作されたオールスター映画。忠臣蔵映画ではこれまで浅野内匠頭を演じてきた長谷川が初めて大石内蔵助を演じ、市川雷蔵、鶴田浩二、勝新太郎など新スターが脇を固めている。
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かげろう絵図 当時、東京新聞に連載中の松本清張の時代小説を映画化。市川雷蔵が初めて主役を演じた衣笠作品でもある。それまでの明朗時代劇的キャラクターから虚無的なキャラクターへと持ち味を変えつつある雷蔵の移行期の始まりであり、衣笠の演出もその造形に大きく寄与している
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歌行燈 成瀬巳喜男監督による戦前の同名映画ではあくまでモダンな味付けが強かったのに対し、その対極といっていい情念の世界を描き出した泉鏡花原作の映画化。市川雷蔵、山本富士子の熱演もさることながら、撮影所で培われたカメラ・美術の素晴らしさは日本映画界の底力を感じさせてくれる。
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雪之丞変化 長谷川一夫の“三百本記念”として作られた作品。林長二郎時代に主演して大成功した衣笠の『雪之丞変化』を、市川崑が再映画化し、再び長谷川が雪之丞と闇太郎を演じた。市川監督にとっては初の時代劇映画で、照明や色彩、音楽などに大胆な実験を試みている。
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東京国立近代美術館 フィルムセンター ●東京メトロ銀座線「京橋駅」下車、出口1から昭和通り方向へ |
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