*同時開催:オリジナル・ポスターや脚本など、貴重な資料を、同ホールロビーにて展示
10:30『おとうと』
*ニュープリント版 |
(1960 年/98 分/カラー/大映東京) |
原作:幸田文 撮影:宮川一夫
出演:岸恵子、川口浩、田中絹代、森雅之
*1961
年カンヌ国際映画祭フランス映画高等技術委員会賞ほか受賞 |
幸田文の自伝的同名小説を水木洋子が脚色、岸恵子の美しさがひときわ際立つ代表作の一本。作家の父と継母の間で愛情を与えられずに不良となっていく弟と、弟をかばい愛情を注ぐ勝気な姉の美しくも哀しい姉弟愛を見事に描いている。撮影の宮川一夫はフィルムを「銀残し」という特殊現像で仕上げ、まるでダヴィンチのようなカラー作品を誕生させた。6月の世界初上映が大好評につき、ニュープリント版を再上映。 |
13:00『ぼんち』 |
(1960 年/104 分/カラー/大映京都) |
原作:山崎豊子 撮影:宮川一夫
出演:市川雷蔵、京マチ子、若尾文子、中村鴈治郎 |
山崎豊子の長編小説を原作とした、大阪船場にある商家のぼんぼんの一代記。『炎上』(1958)で初めて現代劇に出演した市川雷蔵が、“御礼返し”
に持ってきた企画。主人公の周りに次々と登場する個性的な女優陣の競演や、女優の性格ごとに画調を変化させるキャメラ、大映スタッフが誇る日本家屋セットの端正さなどを、スピーディーなテンポでみせる市川崑のセンスは今なお新しい。 |
15:30『東京オリンピック』 |
(1965 年/170 分/カラー/東京オリンピック映画協会・東宝) |
総監督・脚本:市川崑 脚本:和田夏十、白坂依志夫、谷川俊太郎
撮影部:宮川一夫、林田重男 ほか
*1965
年カンヌ国際映画祭批評家協会賞ほか受賞 |
1964年に開催された第18回オリンピック東京大会を、キャメラ103台、レンズ232
本、ネガ40 万呎、計561
人のスタッフが結集して記録したメモリアル・フィルム。オリンピックを人間のひとつの営みとして描き出したその姿勢は後世にも大きな影響を与え、公開時には1800
万人という日本映画史上2
位の観客動員数を打ち立てた、オリンピック映画の金字塔。 |
19:00『野火』 |
(1959 年/104 分/モノクロ/大映東京) |
原作:大岡昇平 撮影:小林節雄
出演:船越英二、滝沢修、ミッキー・カーチス、浜村純
*1961 年
ロカルノ国際映画祭グランプリほか受賞 |
大岡昇平原作による戦争文学の傑作を映画化。第二次世界大戦末期のレイテ島を舞台に、食糧難のため部隊からも病院からも見捨てられた主人公は、最後まで“人間”
として生きられるのか――。『ビルマの竪琴』(1956
年)
などで戦争を描いてきた市川が、極限状態における人間の倫理・精神を突き詰める、すぐれた反戦映画。 |
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