化け猫御用だ

1958年12月21日(日)公開/59分大映京都/白黒・シネマスコープ

製作 三浦信夫
企画 高椋通夫
監督 田中徳三
原作 香住春吾
脚本 民門敏雄
撮影 武田千吉郎
美術 菊池修平
照明 伊藤貞一
録音 林土太郎
音楽 高橋半
スチール  
助監督 池広一夫
出演 梅若正二(土屋仙之助)、近藤美恵子(浪路)、大和七海路(萩乃)、橘公子(お愛の方)、大美輝子(老女三好)、清水元(手島喜内)、中田ラケット(目明し露月町の鶴吉)、中田ダイマル(子分赤鬼の亀三)、楠トシエ(茶屋の女おくみ)
惹句 『ゾットさせたり笑わせたり、スリルと笑いがこんがらがった世にも不思議な捕物喜劇』『一度は腰を抜かしたバケ猫に自分自身がなろうとは・・・ふるえながら笑わずにおられない捕物喜劇

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◆ 解 説

 梅若正二、近藤美恵子主演、香住春吾の原作を映画化した剣と怪猫が絡み合う捕物帖。田中徳三の監督デビュー作でもあり、助監督時代から付き合いあった市川雷蔵が町人役で特別出演している。共演に大和七海路、橘公子、捕物コンビに扮する中田ダイマル・ロケットがコメディ・リリーフを務める。(ビデオ解説より)

 

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◆ 物 語

 江戸の町で白猫がさかんに盗まれた。犯人は腰元ふうの女である。茶屋女おくみの猫も盗まれた。目明しの鶴吉と子分亀三があとを追った。女は土屋羽前家の屋敷横の稲荷に消えた。--女は土屋家の腰元、浪路である。白猫は若君竹丸の毒見役に使うのだ。羽前は病に倒れていた。海賊竜神一味を召し捕ったあとのことである。御役御免を老中に願い出るため田島十太夫を使者にした。江戸屋敷に彼がついた夜、竹丸の食膳の魚を食った愛猫が悶死したのである。奥方お愛の方は殿の帰るまではと固く口止めした。

 浪路と萩乃は足早に立ち去る羽前の弟、仙之助を見た。浪路はさらに仙之助が薬屋で買物するのを見た。彼に疑いがかかっていると浪路はつげたが、彼は笑って取り合わないのだ。仙之助の持ち帰った団子の折を、腰元が食べ、悶死した。彼の部屋に毒薬が隠されているのを浪路は発見した。--黒装束の武士が竹丸をどこかへ連れ去った。もう一人の武士も襲ってきた。あとに仙之助の印籠が落ちていた。奥方はその場に失神した。その形相が一変した。猫がとりついたのか。奥方はその夜以来、一歩も室から出なかった。魚を好み、食事の量も二倍になった。腰元たちは浪路と萩乃を残してみんな暇をとっていった。

 羽前が帰着する知らせがきた。留守役の十太夫が出迎えたとき、羽前はそこに海賊竜神の同類・小浜を見た。小浜は十太夫を殺し、まんまと使者になりすましていたのだ。羽前は縛られ、連れ去られた。仙之助は羽前救出に赴くが、短銃のためさまたげられた。屋敷では奥方を守る浪路に、萩乃が懐剣をかざしていた。浪路は奥方の部屋に逃れた。萩乃や浪人たちがふみこんだとき、人間大の怪猫がうずくまっていた。仙之助に味方する鶴吉と亀三が扮していたのだ。仙之助は小浜と萩乃を斬り倒し、浪人たちを追っぱらった。--小浜が仙之助にすべて疑いをかけさせるようにしたのだ。奥方は狂気を装い、室で竹丸を守っていたのだ。賊に化けたのも仙之助だった。再び平和になった。(キネマ旬報より)

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