1967年1月3日(火)公開/1時間28分大映京都/白黒シネマスコープ

併映:「座頭市鉄火旅」(安田公義/勝新太郎・藤村志保)

監督 田中徳三
脚本 長谷川公之
撮影 牧浦地志
美術 内藤昭
照明 山下礼二郎
録音 林土太郎
音楽 池野都
助監督 太田昭和
スチール 藤岡輝夫
出演 安田道代(林秋子)、松尾嘉代(周美蘭)、加東大介(草薙大佐)、滝田祐介(宋元弘)、仲村隆(杉本明)、島田竜三(支配人)、稲葉義男(参謀長)、新田昌玄(川添少尉)、松村達雄(張宇源)、杉田康(呉武松)、ポール・シューマン(スタイナー)
惹句 『秘密大使が誘かいされた日本軍情報が盗聴されている敵スパイに化けて大陸上海に潜入せよ秘密命令中野学校に下る』『盗まれた日本陸軍の極秘情報誘拐された秘密大使世界のスパイ団が秘術をつくす大陸上海ではじめて見せる中野学校の諜報テクニック

 

(西スポ 01/01/67)

【解 説】

 出演者は、国際スパイ団が火花を散らす大陸上海に密命を帯びて派遣される陸軍中野学校の精鋭に市川雷蔵、仲村隆。中野学校育ての親、温情ある教官に加東大介。敵かスパイか、妖しい魅力をたたえる謎の中国娘に安田道代。

 そして、他のキャストは、スピード、スリル、アクションともに大きなスケール、迫力ある正月映画らしい適役が組まれます。

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【物 語】

 昭和十五年秋、大本営が極秘裡に重慶側要人と和平交渉をすべく上海へ派遣した日高大佐の一行は、会談場へ向かう途中、何者かによって襲撃され全員即死した。憲兵隊が全力をあげて捜索したが、ついに犯人は逮捕できず、現場には一枚の銀貨が見つけられたにすぎなかった。

 急報に接した大本営は、この会談の成功に期待していただけに事の重大さに驚き検討の末、数々の難事件に手腕を発揮した椎名中尉を現地へ派遣する事にした。陰謀と謀略の渦巻く国際都市上海に着任した椎名は、現地軍の情報部である辻井機関の一員となった。

 辻井参謀は対支強硬論者で王政権下要人張氏と親交があったが、日高大佐が秘命を受けて上海に来ることが面白くなく、張を煽動するように秘密をもらした事から、心中秘かに張がやったのではないかと思っていたが、張は強く否定した。その頃、椎名は黙々と事件を追求し、ある時は支那のインテリ青年に化け、または日本商社員となって、租界内の歓楽街や支那人街へ潜入し活躍した。そして最初の日高事件の現場に残された一枚の銀貨を糸口として、遂に張家のコック如康文が実は中共系のスパイで、辻井参謀と張との会話を盗聴マイクを使って情報キャッチした事をつきとめ、その線から興亜放送の宋アナウンサーも一味として検挙した。

 その直後、謎の支那娘周美蘭を追って上海へ来た同期の杉本中尉に会った。僅かの時間二人は情報を交換しあって杉本は南京へ帰った。

 その頃、大本営は最後の手段として、軍の良識派の代表木原少将と民間の大立者佐山氏を送り、再び重慶政府と交渉すべく東京を出発させた。途中上海飛行場で給油を済ませた飛行機は三十分後にエンジン不調との連絡の後、行方不明となった。驚いた参謀たちが地図で検討するとその地点は共産新四軍支配下の安陽県と判断された。直ちに幹部会議が開かれ種々議論が交わされた結果、辻井参謀の提言で、二人を救出のため、椎名中尉と南京の杉本中尉が任命された。

 二人は打合せた結果、別々のルートから安陽県へ潜入する事にした。椎名は、すでに検挙中の宋アナウンサーを責めた結果、木原少将と佐山氏の今後に関する命令を持った密使が、安陽県へ向けて今日あたり出発すると云う機密情報を得た。椎名はこの使者に化けて直ちに出発した。

 本物と偽者の二人の密使のスリルに満ちた道中が始まり、遂に椎名は本物を倒した。途中安陽県近くの来岡鎮に敵の前線本部があり、二人はここに捕われの身となっている事を知った。来岡鎮へ中共の密使として乗り込んだ。木原少将と佐山氏は村長宅の納屋に収容され、おまけに安陽県で捕われたもう一人の日本人がいた。彼こそ別のルートから潜入した杉本中尉であった。椎名は敵中この危機をただ一人で乗りきらねばならない事を知った。

 そして、その夜・・・・(公開当時のプレスシートより)

 

詳細は、シリーズ映画「陸軍中野学校シリーズ」参照。

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