雷蔵さんはこの作品に対して早速打合せを行い、主題歌を聞きながら、脚本に意見を出すといった張切り方ですが、初顔合せの橋幸夫さんについては

 「同じ十七才でも、何とか事件の十七才とは大いにちがいます。民謡調の歌を唄う彼が、実は適当にモダンで、適当にスマートなセンスの持主であり、大変躾のいい少年である事を初めて知りました。及ばずながら先輩の一人として力を添えたいという心境です。こんどは彼の十七才という若さに接して、私も大いに影響されたいと共演を楽しみにしています」と云えば、橋幸夫さんは

 「雷蔵さんの暖かい雰囲気にすっかり魅了されてしまいました。まるで兄貴といっしょにいる様で、すっかり安心しました」と感想を語っていました。

(よ志哉 22号より)

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