和歌山県 | 紀の川市西野山
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人の治せない病気を治すのが自分の本願だという信念を貫いた人・華岡青洲 宝暦10年(1760)10月、 那賀町に生まれた華岡青洲。母と妻の献身的な協力の下、曼荼羅華を主成分とする麻酔薬「通仙散」を完成させ、文化元年(1804)世界で初めて全身麻酔による乳癌摘出手術に成功した。この大きな成果は、なによりも難病に苦しむ患者の生命を救いたいと願う彼の情熱の結実だった。医学の面だけでなく庶民のためになることを積極的に取り組んだ彼は、人間的にも尊敬され、その偉業を称え青洲が生涯暮らした「春林軒」が復元された。(「青洲の里」パンフレットより) 青洲が暮らし、数々の偉業を成し遂げたドラマの舞台 春林軒
和歌山市内から車で40分位の那賀町本山(現・紀の川市西野山)には、いたる所に世界で初めての麻酔手術に成功した医師華岡青洲の偉業を称える遺跡がある。 応神山の中腹あたりに、 平成11年『青洲の里・フラワーヒルズミュージアム』が完成。当時の青洲の住居兼診療所で医学校でもあった建物群を再建。特に主屋と蔵はそのままの建物で、その他の建物は発掘調査に基づいて復元されたとか・・・映画の終わりに、青洲が盲目となった加恵の手を引きながら案内した建物が目の前に建っている。 その内部では、青洲が初めて麻酔を使用した手術風景をはじめ、加恵・於継の二人の麻酔実験(二人の青洲を巡る葛藤など微塵も感じさせないが)、門弟に講義をする様子などが人形を使って再現されている。 念願の曼荼羅華(マンダラゲ)の花を見たいと、勢い込んで尋ねる。花は六月から九月の彼岸くらいまで咲いているとのこと。ただし!別名朝鮮朝顔というくらいだから、お昼にはしぼんでしまうそうで、この時、昼餉時を十分過ぎていたので、当然花はしぼんでいた。朝早くが花どきということ。残念!!
もう一つの意外な事実は、動物実験に使われたのは、ネコではなく犬だったとのこと。木村元さんのお話によると、映画ではネコたちを麻酔で眠らせて使ったそうだが、麻酔が効きすぎて、そのまま昇天してしまうネコもいたとのこと。ネコ供養をしたそうだ。何しろ、大映の“化け猫”映画はなかなかに有名だったから、ネコのたたりは怖かったのかも?
当時(映画公開は67年10月28日)の写真では↑映画や小説にあるように、やはり青洲の墓が一番大きく、その後ろに妻の加恵、さらにうしろに傾いたままになっている母の於継の墓がコケむしている。 ただし現在は、立派に整備されている。
JR名手駅から徒歩数分にある名手本陣には、加恵の生家が約二百年の歴史を物語るように古く色あせて建っている。 加恵の実家・妹背家はもと市場村の富豪で名手庄(なてのしょう)大庄屋となり、この妹背邸が、参勤交代などの際に休息や宿泊に利用されたので本陣と呼ばれるようになった。屋敷地約3,300平方メートルが国史跡に指定されている。屋敷地内には重要文化財の主屋と米蔵及び南倉が建ち、大和街道における本陣の遺構としての価値が高い。
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