6:50発のバスに揺られること1時間余、久万町へやって来た。久万という老女が大師と出会い、その名が地名となった久万町は、海抜490mの高地にあり、スキー場さえある。冬の寒さが想像できようというものだ。44番大寶寺(だいほうじ)は88カ所のまさにまんまん中、境内には樹齢数百年の杉や桧の老樹が林立し、幽寂な空気が漂う霊場だ。気温も平地よりは数度低いようだ。
お参りを済ませてもまだ、8:30。歩いて45番岩屋寺(いわやじ)に向うはずが・・・なぜかバスを降り立った営業所に出てきてしまった。生来の方向音痴、道を間違えたらしい・・・途方にくれるところだが、天の僥倖!たまたま道を尋ねた人が岩屋寺方面へ配達に行くとのこと、軽トラックに乗せていただく。なるべく舗装道路を歩くように、こんな山の中の遍路道では携帯も使えない。蛇にも要注意、黒っぽくて短めの蛇が一番怖いと貴重はアドバイスをいただく。
岩屋寺はその名に違わず大きな岩のわずかな敷地に建つ寺だ。急勾配の石段を上り、やっとたどり着く。大寶寺の奥の院であり行場だったが札所として独立したというから納得する。深山幽谷というところか。
さて、ここで困った!10時だというのに町へ戻るバスは昼過ぎまでない。何とか足を確保しないとここで3時間もブラブラすることになる。運良く松山方面へ向う車を見つけて乗せてもらうことができた。77番道隆寺(どうりゅうじ)の門前で遍路用品を販売されているとのこと。今日はラッキーだ。これで、もう一ヵ所行けそうだ。
松山から予讃線で卯之町へ向う。43番明石寺(めいせきじ)は駅から商店街を抜けて30分ほど歩いた先にあった。途中酒蔵を見つけたり、中高生が挨拶してくれたりと往復1時間の歩きを楽しむことができた。深山幽谷よりも、やはり町中が一番!何しろ、急勾配も目もくらむような石段もない。今晩は道後温泉でこの疲れを癒すぞ!・・・ところが愛媛の蔵元屋という銘酒・立ち飲み所で伊予の銘酒に酩酊して、道後温泉まで行けなかった・・・。次回のお楽しみ?
制覇:76札所 残り:12札所
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