映画には出てきませんが原作では一人の美女千草を争う友房と龍安の二人の男性の争いがあり、更に千草の娘夕秀と和の宮の二人がこんどは帥の宮ただ一人を慕い続けるという二代にわたる運命の恋がテーマになっていますので、これを頭にいれて映画を御覧になれば更に興味深いものがあります。
若尾文子の和の宮、市川雷蔵の有栖川熾仁(帥の宮)、山本富士子の夕秀、和の宮の同情者孝明天皇に夏目俊二、十四代将軍家茂に舟木洋一、和の宮の生母に三宅邦子、容貌魁偉の野心家熊の倉友房に東野英治郎、宮中の陰謀家岩倉具視に小沢栄、怪僧龍安に柳永二郎の芸達者の人々に、滝花久子、十朱久雄、細川俊夫、三島雅夫、橘公子、毛利菊枝、松浦築枝、荒木忍、香川良介、東良之助、南部彰三ら五十名に上るキャストを組んでいます。 |