去る三月二十七、二十八日に第二回京都撮影所見学旅行が行なわれました。二十六日東京二十一時十五分発瀬戸号にて一路西下。京都駅集合の会員さんを加えて、総人員二百八十名と云う、一回目の時をはるかに越える参加者。

 今回は二日間共小春日和の好天気に恵まれ、京都では珍しく一週間も早い桜の満開で、思わぬお花見が出来る等、又数々の思い出を残してくれました。

 三月二十七日(金)晴
 夜行の疲れか宿泊天竜寺についた時には、何かぼんやりしていたが、これから雷蔵さんにお逢い出来ると思うと、やっぱり元気になる。(現金なものですね)あちらの部屋の皆さんも昨夜一睡もしていないと云うのに、よくしゃべり、笑っている。それも私と同様の気持のせいか。

 九時半天竜寺出発。五台のバスに便乗して、大映京都撮影所へ。正門をくぐり、案内されたグランプリ広場で一くさり説明を聞く。そして愈々、雷蔵さんのお仕事中のスタジオへ。『お嬢吉三』の撮影中で、セットは五郎衛の家の裏庭で、二回に分かれて見学する。林成年さんの音松を雷蔵さんが助けるシーンで、これも二、三カットで終わり、皆さんも何か、ものたりない様子でしたが、お仕事の関係ではやむを得ません。外へ出て来た雷蔵さんは、ほっかぶりに、尻はしょり姿。雷蔵さんを中心に記念撮影、そして西のオープンセットへ。そこで大映御自慢のマンモスプールを見学して撮影所とお別れする。何しろこのいい天気にセット入りしているのは、田中組だけ。あとは全部ロケに出掛けている、それだけに会社は損をしているのだそうで・・・。これも後援会の見学ありとの通達があったればこそとか・・・誠にありがたいかぎりです。

 初めの計画では、会食会はたっぷり時間を取り照明をつけ、マイクも用意する等でしたが、五時からオープンセットに入るため、一時間しか時間がないとかで『お嬢吉三』の扮装のままかけつけられた雷蔵さんは、御挨拶と会から出された質問に答えられてお帰りになるというあわただしさ。それでも理解あるファンの方々のお志で、拍手をもってお送り致しました。森本さんから雷蔵さんの日常の事、お仕事の事等、皆さん知らなかった事をお聞きし、感心したり、笑ったり、又、考えさせられたりして楽しい一時を過しました。

 嵐山の山ふところにいだかれたこの天竜寺も、いつしか夜のとばりに包まれ、一日のあわただしかったが、楽しい思い出を語りながら、いつしかどの部屋も深い眠りにつきました。

天竜寺に到着の会員さん 天竜寺国宝庭園
大映京都御自慢のマンモスプール 会員さんが見学したセット

扮装のまま会食にご出席された雷蔵さん

会員さんにお別れしてセット入り