(大映)では明春四月一日公開を目指して、創立以来十七年の超大作と銘打って、ワイド・カラーによる『忠臣蔵』を一月十四日製作開始と決定、四十七士討入りの十二月十四日にちなみ、全配役を正式に決定した。

 (一万)四千フィート、上映時間二時間半にまとめられる大映『忠臣蔵』は、浅野内匠頭と吉良上野介との勅使饗応をめぐる確執からはじまり、討入り後、両国橋の引揚げまでを描くもので、配役上のねらいは、出演者すべてを大映専属または大映契約者に限り、他社から著名スターの出演を仰がず、大映色を徹底的に打ち出そうとしている。製作は永田雅一社長自ら当り、企画辻久一、陰山俊夫、脚本八尋不二、民門敏雄、松村正温、監督渡辺邦男、撮影渡辺孝で、一月十四日京都撮影所でクランク・イン。撮影実数四十五日で、三月上旬完成の見込みである。なお、主なキャストは次のとおり。

(大石内蔵助)長谷川一夫、(浅野内匠頭)市川雷蔵、(岡野金右衛門)鶴田浩二、(女間者おるい)京マチ子、(大工の娘お鈴)若尾文子、(瑶泉院)山本富士子、(大石の妻りく)淡島千景、(浮橋太夫)小暮実千代、(戸田の局)三益愛子、(関野弥次郎)菅原謙二、(大竹重兵衛)志村喬、(垣見五郎兵衛)中村鴈治郎、(吉良上野介)滝沢修 (デイリースポーツ・大阪版 12/19/57)