以下お二人の方に生前の人となりを語っていただきました。

 ◆寿海丈とは御親戚の当後援会理事長梅原芳造氏談

 「感じとしては、筋のとおったといいますか、筋を通さなければいられない、きちっとした人でした。幼少の頃から芸道に打ちこまれた方で、長唄、清元、端唄、に軽妙なばかりか、古曲(河東節、一中節)等にも、堪能で、年老いてからもこうした芸の事は忘れないと云った、芸の虫という一面も大変、印象に残っております。又、当時、“新橋の洗い髪のおつま”という人がおりましたが、故人も“東家のおいろ”とうたわれた美芸であった事は有名です。

 臨終に立合った私には大往生にみられた安らかな最期でした。上京した雷蔵氏は、お通夜から告別式とまわりにいる者達も感心する程の孝行振りで、故人に対しても、寿海丈に対しても、その気の使い様が実に美しく見られました。

 当後援会を代表して、突然の御死去に対して、深甚なる弔意を表します。

 告別式には折からの寒さにもかかわらず、会員さんの御焼香を得た事を紙上をかりて御礼申し上げます」