江戸弁、京都弁チャンポン

○・・・東京はこんどはじめて銀座通りを歩いてみたそうだが、宿は兄の中村扇雀・扇千景夫婦の三田の東急アパートは狭いからと、築地の旅館にひとりでいる。扇雀の子供の智太郎君がやっと歩き始めたばかりで、それがかわいいと暇を見てはあやしに出かけてるという。

 「東京の現代娘の役がやってみたいなと思うけど、あたしコトバがあかんのどす・・・」東京、京コトバをチャンポンにセリフだけでなく立居振舞いも合わないから、とあきらめている格好。

帰ったらまたすぐお仕事

○・・・四日休みあけから『続次郎長富士』に出演する。キンチャク切りのあばずれ役。「お酒に酔っ払ってクダをまくところがあるのですけど、どないしょ。セリフもまだ覚えてへんし、帰ったら忙しいわ」。映画入りして五年。いまハタチ。大映では名実ともに第一線にと大変な気の入れようである。

 

(日スポ 60年05月02日)