笑いの静まらないうちに福引。雷蔵さん曰く「いつも舞台の上で福引を引くのは、能がない。なにかいい考えはないかなあ」とおっしゃって、意見百出。あれこれ考えて、一度こんなのをやってみてはいかがなもんでしょう。と云うわけで、実行されたのが、インスピレーションという事になったのです。

 出席されない方に説明しておきましょうね。会場を、あらかじめ七つのブロックに別けまして、一つのブロックで雷蔵さんがインスピレーションで云った事に会員さんの中で答えられた方に賞品を差上げる。ええ勿論、客席に雷蔵さんが入られサインをして差上げるわけです。その中で面白いのを紹介しますと、「僕と同じ年の方」とか、一つのブロックで「一番お年のお若い方と、御年配の方に賞品を」とか、「僕の家の番地は」「この中にカメラをもっていて、一番レンズの明るいの」とか、「白い帽子をかぶっている方」「僕の部屋はいく間あるか知っていますか」とか「イタリアンブルーの洋服を着ている方に」とか「今朝、僕は何時に起きて、なにを食べたと思いますか」「足袋の文数」しまいには「虫歯が何本でどんな加工がしてるか」「血圧」「みゃくはく」と云った具合に、ついに雷蔵さんの身体検査にまでおよぶという広範囲に渡る質問に大笑い。その上、雷蔵賞に雷蔵さんといっしょに、舞台のどこでも、御希望の場所で、御希望のポーズで写真を写すと云った新形式に、場内は、拍手とため息でしばし、ざわざわ。

 そうそう忘れておりました。一部の福引の番号を書く方がいないので困っていると、本郷君が「なんでも手伝うよ」と自ら買って出て下さったので大助かり、すっかりお手伝いしていただきました。ほんとうにありがとう御座居ました。この時間にマヒナスターズのリーダー和田弘さんが花束をもってお祝いにかけつけて下さいました。