本格的な夏ですね。お変わりありませんか?さて、毎年夏が来ると当後援会も一歩前進、会誌「よ志哉」も一つ大きくなるわけです。この会誌も今年で四回目の夏を迎えたんです。この暑さを忘れさせ、皆さんの気持をとりこにしてしまう様な、そんな会誌に出来ないものかしら・・・そうそう皆さんに頂いた会誌のアイデアを忘れてました。さっそく探してみますと、ありました。四周年の特集としてふさわしいアイデアが、どんな内容かですって?それはこれから皆様にお贈りいたしますから、ごゆっくりお読み下さい。さあ、ごえんりょなくどうぞ・・・


 

 撮影所での雷蔵さんは同じ所でお仕事をしている人達には、どんな感じで受入れられているんでしょうか?一寸知りたいお話ですね。

 そこで撮影所に出掛けて行き、お聞きしようと思ったんです。でも広大な撮影所の中で、やたらに聞いた所で、まとまりのないものになりましょうし、忙しい撮影所の事ですから、変にウロウロしてツマミ出されてはせっかくのプランもなんにもなりません。困ったなあと思ってひょいとみると、「宣伝部」と書いた札が目につきました。そうそうここから始める事に致しましょう。大丈夫かって?心配御無用、万事私にまかせて、いっしょにおいで下さい。ちゃんと、雷蔵さんから紹介されているんですから・・・お相手下さいました方は土田さんとおっしゃる方です。

 まず土田さんにインタビューから・・・

問  : 初めまして。実は今日おうかがい致しましたのは、宣伝部から見た雷蔵さんについていろいろお話を聞かせて頂きたいと思いまして。なに分素人記者ですのでよろしく。まずその前に京都の宣伝部のお仕事についてお聞きしたいのですが、どの程度こちらでやるんですか?

土田: それは記事宣伝、製作宣伝、写真宣伝すべてここから出ます。

問  : すると時代劇に関する宣伝は全部こちらでやる、という事ですか?

土田: そうですね。宣伝の仕事には、100%これでいいという限界はないですよ。

問  : さきほど記事宣伝という事を云われましたが、雑誌で、いろいろ雷さんに関する記事がありますが、それもここから出ているという事になりますね。

土田: 勿論そうですが、しかし、あの様なものをよーく読んでわかると思いますが、こうだ!とはっきり書いてあるのはないでしょう。たいがい・・・だろう≠ニか・・・そうではないか≠ニ決定的な事が書いてあるのはないでしょう。抗議のしようがないでしょ。そんな事をするとかえってやぶへび≠ノなったりしてもいけませんし、ほっておきますよ。

問  : 雷さんのファンには、そんな事でまどわされる様な方はいませんけど・・・(笑)

土田: ぼくらは、雷ちゃんとは親しいし、いろいろ知っていますしねェ・・・。美談もずい分持っている人ですよ。でも、その美談はあえて発表しませんが・・・。

問  : というと美談を発表しないのが美談という事ですか(笑)

土田: 笑(無言)

問  : 土田さんから見た雷さんてどんなですか?

土田: そうですねェ。合理的精神と近代的精神の持主というか、一寸俳優さんとしては珍しいですね。よく喧嘩もしますしね。僕の家が大阪だもので、仕事で遅くなると、よく雷ちゃんの家に宿りますが・・・翌日、僕が起きる頃にはもう撮影所へ出掛けたあとで、いつ出ていったのかわからないんだが・・・まわりの者にも大変気をつかってくれましてねェ。それに不思議なのはいっしょに遊んでいて勉強する間がないのに、それでいて翌日は、ちゃんと仕事をしている。シナリオを読む間がないのにねェ・・・。頭のいい事はたしかですよ。天分プラス努力、とでも云いますかねェ。かくれた所ではやっているでしょうねェ。僕の友達で中学の時、雷ちゃんといっしょだったのが今新聞記者をしているのがいるんで聞いてみるとおとなしいが頭のいいやつだった≠ニ云っていますよ。

問  : よく宣伝部には見えられますか?

土田: 俳優さんの中で一番来るでしょ。それでなんでも吸収して常に新しいものをと研究心が旺盛ですね。

問  : いい意味の貪欲。

土田: この社会では貪欲なくらいでないとだめですね。

問  : お忙しい所、ありがとう御座いました。

 土田さんの様に、雷蔵さんとのお付合の長い方のお話はいかがでした?そうですね次に、同じ宣伝部でも比較的新しい方は、雷蔵さんについてどんなお話をして下さるでしょうか?次の文章をお読みになって下さいね。