アンケートまとめ

 さてこれをお読み下さいましての結果は、皆様それぞれ共鳴される方、又不満に思われる方様々でしょう。

 質問1に対するお答えでは、やはり名誉ある各種の賞を受けた作品「炎上」。又雷蔵さんが演技者として認められるに価いする「新平家物語」が上っているのは嬉しい事で、現代劇では内面的な演技を要求されるもの、又社会性の裏づけのある作品「破戒」が多く、時代劇ではオーソドックスなものが印象に残っている様でした。

 又、年度別の作品を見ますと、30年度、33年度、37年度、それぞれ話題になった作品の年がだいぶ偏っている事がわかります。「炎上」から「破戒」までの約四年間、これと云った作品のないのはなんと云っても悲しい現象です。それよりも会社がもう少し企画面で考慮されてはいかがかとも思われます。

 企画と云えば、立案が良くっても相手役の決定。封切のタイミング、宣伝不足等で、大変損をしている作品が目につきます。雷蔵さんの良さを生かして企画されても最後まで、もって行き方に欠点のない様に、映画の総合芸術性を大いに発揮されたいものです。

 そんな事から考えて、良くなかった作品をあげざるを得なかったファンとしては、誠に残念の一言につきるでしょう。会社の上層部の、乞う御一読。

 もう少し具体的に堀りさげて、監督さんの事になると、圧倒的に市川崑さんを推しているのもあもありなんとうなずける事でしょう。今までもそうだった様に、これから、すぐれた監督、有望な監督、組んだ事のない監督、これらの方々とお仕事をされる事をのぞむ声は大きいようです。

 又、相手役でも過去良かった相手役をそれきりで終らせず、違ったキャラクターで組ませる。他社の方、新人、等々の相手役で、これも又、面白く見られる作品が出来ましょう。実現してほしいものです。

 このアンケートで、ほとんどの方がおっしゃっている様に、「本数をへらして良い作品に・・・」たしかにそう思います。

 雷蔵さんのすべてから考えてもう「量より質」に変ってもいいスターだと思います。皆様もお友達や、グループの会合などで雷蔵さんの作品についてお話合になる事が多いでしょう。しかし、ここに来ているアンケートの結果は、おそらく皆様の話題とたいして違ってはいないでしょうと思います。

 どの項目も、ファンとして雷蔵さんの作品に関係ある重要なポジションにある人達に見てもらいたいとお思いでしょう。「量より質」をのぞむファンが多いのに、会社は依然として「質より量」で出演させている。それなら・・・。今年のゴールデンウィークになぜ雷蔵さんの作品を出さないのだろうか?このように作品を一つの形として書き出してみますと、どうしてだろう?なぜだろう?と疑問やら・・・矛盾やら出てくる事は大変悲しい事です。

 この特集がファンとして会社に対してはささやかなレジスタンス!又、雷蔵さんにとっては。これから大いに参考にしていただければ、この特集の意味は半分達せられた事になったといえるのです。

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 このアンケートは、全員にと思ったのですが、各グループより代表者を選んでいただき、その方々に御協力をいただきました。

 なるべく広範囲の方々と思い、外部の方々にも御回答いただきました。一応、三氏は雷蔵さんとおつき合いもあり、雷蔵さんの作品をご覧下さっている方々ですのでご登場願ったわけです。

 さて、次頁のおはなしは、このアンケートを特集に扱いましたので、古い作品を思いうかべ、当時の話題を拾って御紹介してみました。