現代人雷ちゃん スチール 西地正満

 一言で言うと、雷ちゃんは大変仕事のしやすい人だと言える。スチールという仕事の性質上、相手がスターだからと言って、遠慮していては、呼吸も合わず、いいスチール写真は出来ない。その点雷ちゃんは、言いたいことを言うし、またこっちも遠慮なしに言うことだ出来るので、仕事の上で、プラスになるし、非常にしやすいと言える。

 時代劇のスチールは、どうしても菊人形的な動きの少ない、定まった形のものが出来やすいが、劇の性格を、スチールの上に生かそうと思えば、どうしても、俳優さんと、息が合わなくては、良い仕事が出来ない。変に妥協していては良い作品は生まれない。よく雷ちゃんは、毒舌家と言われ、言いたいことを言うけど、後味の悪い思いをしたこともない。口は悪いが、細かいことに気がつき、相手の事を考えて、例えば、撮影の時間などでも、いつも、きちんと守ってくれる。こういう点雷ちゃんは、はっきりわり切っており、俳優さんには珍らしい。現代人的な面をもっていると思う。

 仕事の上でしかつき合いはないので、よくは知らないけど、雷ちゃん、ヒマがあると東京に行ってるようです。これは京都にばかりいては、遅れてしまう、やっぱり東京に行って、現代の空気をすうという、一つの勉強だと思います。

 俳優さんをもし、天才型と、努力型に分け得るとすれば、雷ちゃんは後者だと思いますが、人間的にも、スターとしても、本当に立派な人だと思います。