このチャンス!何でも訊ねたまえ!!と雷ちゃんが云えば、余りプライベートなことなでの・・・とモジモジするいとはんファン 「だって嫌われそうでいややわ」と。

 ナーニ?君がお嫁さんになりたいのとズバリ云う雷ちゃんは、ここでも相手の裏をかく性格を御披露して呵々大笑。

出席者:

鎌田 幸子 (事務員)
霜中 睦代 (中学生)
永井   栄 (主  婦)
河村 紀子 (無  職)

理解あるファンとは?

鎌田 私、雷蔵さんファンになったのは、一番初めは演技がうまかったことなんです。

永井 (語を弱めて)そうですね。

雷蔵 (チョッピリ皮肉って)ほかにキレイな人がいますからね(笑)

鎌田 まア、失礼な。(笑)

雷蔵 (愉快そうに)ハッハッハッハ。

鎌田 (真顔で)そういう意味じゃないですよ。

永井 いま入ってらっしゃるのは『お嬢吉三』ですね。

雷蔵 ・・・(うなずく)

河村 女装なさるのでしょう。『弁天小僧』と全然違いますか。

雷蔵 違います。

鎌田 私、雷蔵さんの女装大好きです。(笑)演っていては如何です?

雷蔵 まアね。ああいう作品というのはデカダンスな味というか、それがねらいだからね。

鎌田 私、今まででは一番『炎上』がよかったです。

河村 私もそうですね。

鎌田 といっても現代劇への期待が相当大きいということでもない。(笑)

永井 そう『若き日の信長』などよかったね。

雷蔵 大へんそういう見方をしてくださることは嬉しい、というよりそれがやっぱりファン気質というもの、これはボクだけのそういう考えかも分らんけれども、ファンの気質の現代的移り変り、ただ何でもかでも出ていたらいい、笑っていたら、泣いていたらいいというのではなく、俳優として、演技者として演ずる役のよしあしということ、これをはっきり見てもらえることは演技者として嬉しいね。

鎌田 映画を見て初めてのときは、あンまり頭に入らないわ、ボーッと見てしまうの。(笑)どこもかもステキに見えちゃって。二回目だと少し落ち着くので、いろいろああだこうだとか思うけど。

河村 今年出演される作品はどんなものですか。

雷蔵 『お嬢吉三』『王者の剣』『千羽鶴秘帖』『次郎長富士』それから『好色一代男』。

永井 『好色一代男』はいつですか。

雷蔵 分りません。

鎌田 年内封切ですか。

雷蔵 それも分らない。

霜中 現代物は全然ないのですか。

雷蔵 ウン。

鎌田 (オズオズと)私、プライベートなこと聞くのお嫌いだと聞いているから遠慮しているのですが。(笑)

雷蔵 ナカナカよく分ってくださるファンだと思うね、(笑)

永井 (未練がましく)聞きたいことは聞きたいけど・・・。

雷蔵 (とどめを刺すごとく)ボクは感心しまシタ。(笑)

鎌田 そりゃ、あれもこれも、何ぼでも聞きたいですよ。

永井 ほんとにたくさん聞きたいけど・・・。

鎌田 やっぱりキラワレルことはしたくないと思いますからね。(少しうらめしそうに見る)

雷蔵 (破顔一笑)ハッハッハッハッ。