続花頭巾

1956年11月7日(水)公開/1時間19分大映京都/白黒スタンダード

併映:「午後8時13分」(佐伯幸三根上淳・川上康子)

製作 武田一義
企画 高椋
監督 田坂勝彦
原作 村上元三
脚本 犬塚稔
撮影 武田千吉郎
美術 福山善也
照明 古谷賢次
録音 奥村雅弘
音楽 渡辺浦人
スチール 浅田延之助
出演 山本富士子(由美)、勝新太郎(久米寺舜馬)、林成年(朱童子)、阿井美千子(奈美)、夏目俊二(鳥貝志馬)、黒川弥太郎(赤平乗昌)、杉山昌三九(中迫丹下)、羅門光三郎(竜ケ瀬逸当)、荒木忍(津築権兵衛)、光岡竜三郎(笠丸)、南部彰三(竹腰山城寺)、天野一郎(式沢)、伊達三郎(野宮忠太夫)
惹句 『恋と復讐の激情渦巻く痛快時代劇の解決篇、前篇の解説付で登場』『恋と復讐は血の渦を巻いて、江戸から九州へ花頭巾の美女危うし』『怪しの笛の音ただよう妖気美貌を花頭巾に包んで、七人の仇敵を狙う謎の乙女侠気の青年剣士波瀾万丈の復讐時代劇の解決篇、前篇の解説付で登場!』『花頭巾の笛の音が、血を呼び波瀾を招いて舞台は九州へ

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◆ 解 説 ◆

 恋と復讐に生きる美貌の琉球王女“由美”の活躍を描いた『花頭巾』は、公開と同時に全日本の時代劇ファンを熱狂させたが、前作の大好評に応えて大映京都がふたたび贈る完結篇。

 原作は時代劇小説文壇随一の人気作家村上元三が北海道、中部日本、西日本の各新聞に連載中の同名の傑作小説で、ベテラン犬塚稔が完全シナリオ化、監督には前作に引続き英才田坂勝彦監督が当るほか、完璧のスタッフ陣をしいて万全を期している。

 舞台は前篇のあとを追って江戸から名古屋へ、さらに京から瀬戸内海を通って九州へと大きく移るが、キャストは同様、ヒロイン由美には『夜の河』以来『日本橋』『月形半平太』とますます演技に自信をつけ、早くも本年度主演女優賞の呼び声高い山本富士子、また彼女をめぐる剣の青春群像には市川雷蔵、勝新太郎、林成年、夏目俊二と大映京都の若手四天王が一堂に会し、さらに黒川弥太郎、阿井美千子、杉山昌三九、鳥井香月子以下粒選りの精鋭演技陣がズラリと顔を揃える思い切った豪華絢爛の配役である。(公開当時のプレスシートNO.617より)

 

◆ 梗 概 ◆

 

 慶長十四年薩摩藩は大挙して琉球を襲った。その時島津の津築権兵衛、中迫丹下、旗本の龍ケ瀬逸当、その愛妾美金、回船問屋団屋弥市ら七人は、中城の按司金丸の財宝を奪って江戸へ帰った。金丸一族は全滅したが、娘の由美は、従者朱童子とともに仇敵の後を追った。

 そして三年−妖しの笛の音とともに、美貌の顔を花頭巾につつんだ由美は、夜の江戸に出没、すでに大隅与兵衛など三人の敵に復讐を遂げたが、残る四人の在りかを求めてさらに追求の手をゆるめなかった、青年美剣士矢波弦太郎は、由美に正義の助勢をするとともに、彼女の美貌にひかれて日本に渡ってきた久米寺舜馬という琉球王子と激しい恋の対立をつづけた。舜馬は「由美につきまとう奴は、誰れ彼れの容赦なく斬って捨てるぞ」と言い放ったが、弦太郎も由美のためには後へ引かなかった。由美は一味の罪業を朝廷へ訴えようと京へ発ったが、これを知って中迫丹下らも発った。しかし由美たちを待ち受けていたのは意外にも久米寺舜馬であった。(以上前篇のあらすじ)


 

 三保の松原で、由美の一行を波打際に追い詰めた久米寺舜馬たちは、一斉に抜刀して迫ったが、微動だにせぬ由美の言葉に、さすがの舜馬も直ちに部下を退かせた。由美の姉奈美は、琉球の戦さで流れ矢に当ったが、生きながらえて名古屋城に監禁されているという。姉を求めて名古屋に来た由美は、鳥貝志馬の計らいで奈美と対面、そのまま姉とともに京へ向ったが、逸当と丹下らもその後を追った。

 京に入った由美と奈美はたまたま美金を捕えて一味の居所を白状させた。一方弦太郎と朱童子は、敵状視察に出かけた際偶然にも舜馬のいる屋敷に足を踏み込んだ。舜馬は二人に茶を振舞いながら、傍若無人に佐香乃という公卿の姫とたわむれていたが、弦太郎に由美から手を引くことを申し渡すとともに、拒絶されるやふたりを落とし穴に落としてしまった。その翌日はあたかも由美が御所へ参内する日だったが、その直前、意見の相違から由美と仲違いしてしまった奈美は、別の屋敷に移るべく駕籠にのり、かえって舜馬とその輩下に、由美と間違えてひっさらわれた。土牢に閉じ込められた弦太郎は佐香乃の投げ与えた懐剣によって牢を破り、朱童子と一緒に屋敷を脱出、由美が危うく逸当たちに襲われている所を駈けつけて敵を倒した。由美は無事参内して、一味の非道を訴えることができた。

 その夜、舜馬にとらわれた奈美は彼に向って「舜馬よ、残る二人の敵を斬れば由美はあなたに差し上げましょう」といった。その時花頭巾をかぶった由美が弦太郎、朱童子とともに奈美を救出に現われ、舜馬は弦太郎と烈しく斬りむすんだが、たまたま志馬が馬でかけつけたので止むなく刀を引いた。志馬は朝廷から一味の非道を詮議せよというご沙汰が下ったが、権兵衛と丹下はすでに島津の護衛付きで九州に向ったと告げるとともに、由美たちに九州をへて琉球へ帰るように申渡した。奈美は仇敵を討つまでは帰らぬといい張って、由美とは別に舜馬を伴って陸路を急ぎ、一方由美はおもろ丸という船で海路博多へと急いだ。

 おもろ丸が博多の沖に投錨した時、丹下と気脈を通じた海賊笹丸たちは数艘の舟に分乗しておもろ丸を襲ってきたが、乱戦のうちに蛇女は朱童子によって倒され、丹下は弦太郎に、そして笹丸は志馬によって倒された。船を下りる一行を待ち伏せたのは権兵衛たちであるが、そこに奈美とともに駈けつけた舜馬は、相対する弦太郎を押しのけて権兵衛と斬り結び、かえって彼の一太刀を浴びた。権兵衛は弦太郎によって斬り倒されたが、舜馬は弦太郎に「由美を可愛いがってやれ」ともらして息絶えた。奈美もいまはこれまでのかたくなさを心から詫びるのだった。

 見事復讐を果した由美は、志馬たちに見送られながらおもろ丸の船上で、弦太郎と手をとりあって将来を固く誓い合うのだった。(公開当時のプレスシートNO.617より)

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中部日本、西日本、北海道新聞連載の村上源三の原作から。

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