てんやわんや次郎長道中

1963年6月30日(日)公開/1時間14分大映京都/カラーシネマスコープ

併映:「視界ゼロの脱出」(村野鐵太郎/本郷功次郎・三条江梨子)

企画 高森富夫
監督 森一生
脚本 八尋不二
撮影 今井ひろし
美術 西岡善信
照明 伊藤貞一
録音 林土太郎
音楽 斎藤一郎
助監督 大洲斉
スチール 藤岡輝夫
出演 坪内ミキ子(おきん)、南都雄二(板前=小政)、姿美千子(おかよ)、藤田まこと(坊主=森の石松)、芦屋雁之助(浪人=大政)、芦屋小雁(山伏=法印大五郎)、ミヤコ蝶々(お蝶)、藤原礼子(目明しお安)、茶川一郎(みの吉)、名和宏(代官芹沢九郎二郎)、島田竜三(長五郎)、夢路いとし(美濃辰)、喜味こいし(男金長兵衛)、真城千都世(お艶)
惹句 『どちらがホンモノ二つの次郎長一家がなぐり込み泣く子も笑う長ドス喜劇』『この顔ぶれで大暴れ斬るぜいかすぜ笑わすぜ』『鬼よりこわい次郎長一家の、鬼もふきだす珍道中』『笑いの長ドスひっさげて、お色気旋風まき起し、次郎長一家のなぐり込み』『颯爽、雷蔵次郎長と大喜劇陣のなぐり込み色と欲の東海道に笑いの渦まく股旅喜劇

 

■ 作品解説 ■

 従来、次郎長映画はいくつかつくられていますが、これは、笑いの中に描くいわば次郎長外伝ともいうべき作品です。物語りも奇想天外、人相書を回された清水次郎長が一介の旅鴉に姿を変えて、これまた身分をかくした子分衆と別々に山の宿場へ乗り込んでまき起こすてんやわんやの大騒動が中心となります。

 宿場の裏山に金山が発見されたところから、ニセの次郎長とニセの二十八人衆が、ホンモノが居るとも知らずにいばり散らす面白さが、豊富なお色気と共に、この作品の見どころとなっています。

 市川雷蔵の次郎長を中心に、坪内ミキ子、姿美千子、藤原礼子らの女優陣が花をそえるほか、芦屋雁之助、小雁、ミヤコ蝶々、南都雄二、藤田まこと、白木みのる、茶川一郎、夢路いとし、喜味こいしらの関西人気コメディアンが、ニセモノ、ホンモノの二十八人衆に扮して、笑いの物量作戦を展開しています。

 監督には、“悪名”シリーズ、“座頭市”シリーズなどでこのところ快調の森一生があたり、理屈ぬきで楽しめる娯楽時代劇の大作に仕立てております。(公開当時のプレスシートより)

 

■ 物 語 ■

 近くに黄金が出るという噂でお祭り騒ぎの男金(おがね)の宿場。一番の顔役長兵衛の許へわらじを脱いだ若い旅鴉は、子分の岩吉から長兵衛が田舎娘を集めて第二の顔役美濃辰のあいまい屋へ売っていることを知った。一方代官芹沢九郎二郎は長兵衛らの三悪人と女目明しお安を集めて当時賞金付きの兇状旅に出ていた清水次郎長召捕の相談を開くが、やがて議題は金山買占めの共同謀議へ変っていった。

 そして狙われたのが木挽きの久助と孫娘おかよの住む山吹谷。三悪人が抜け駆けを狙ってテンヤワンヤのところへあらわれたのが若い旅鴉。騒ぎを見事治め、美濃辰へ売られようとする娘たちのため、心ばかりの別れの宴を張ってやった。そしてさらに、芹沢の人身御供にされようとした機会を狙って父を殺した芹沢に仇討ちしよとするおきんの危機も救ってやった。

 そんな時、八州役人篠塚が、男金の宿場に次郎長潜入の報を得てやって来た。まさに宿場はテンヤワンヤの大さわぎ。その祭の夜、若い旅鴉がおかよと共に宿場で群衆にまじって踊っているスキに、山吹谷では長兵衛ら三人の悪人が久助を殺し、土地売渡しの証文をデッチあげた。

 その証文をめぐって芹沢以下が分け前の相談をしているところにあらわれたのは“俺こそは清水の次郎長だ"と名乗る男。マンマと証文を手にひきあげようとした自称次郎長に“待った"をかけたのは若い旅鴉。実はこの旅鴉こそほんとうの次郎長だった。かくて悪人たちはほろび、久々に清水に向う次郎長の顔も日本晴れだった。

笑え、笑えの次郎長伝 -さっそう市川雷蔵- まこと、片目にとまどう

大映「てんやわんや次郎長道中」

 【京都発】これはまた風がわりな次郎長一家-。大映京都で撮影中の「てんやわんや次郎長道中」(監督森一生)は、市川雷蔵の次郎長をはじめ、芦屋雁之助の大政、南都雄二の小政、芦屋小雁の法印大五郎、藤田まことの森の石松といった顔ぶれだ。このほか関西喜劇人のほとんどが顔をならべて、てんやわんやの型破り、いわば次郎長意外伝である。

 兇状旅に出た若き日の次郎長がある宿場町をふらりとたずねれば、そこはゴール・ドラッシュの大騒動。親分をカゲから守ろうとさまざまな変装でもぐり込んだ子分たちも、次郎長を助けて宿場の悪代官、悪親分をやっつける。雁之助と小雁のコンビは「“強いやくざ”でハデな立ちまわりのあるのがいい」とすっかりごきげん。

 石松役で片目をつぶった藤田は「遠近感がなくなってさっぱりですわ」と片目で見る世界にとまどっている。また板前に身をやつす小政の“雄さん”は、料亭のあるじ夢路いとしとのやりとりで得意の捨てゼリフを連発しながら自分で吹き出すありさま。見学の中学生や若い娘さんが笑いをこらえかねほどスタジオには毎日愉快な撮影が続いていある。(昭和38年6月11日付新聞より)

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