このお芝居は寿海・雷蔵親子共演のために川口松太郎氏が書きおろして下さったもので、沢村蝶次は、妹お絹のために橋場の丑松というやくざの片腕を切って江戸を売るが、どうしても舞台に立つ事が忘れられず、養父蝶十郎と舞台で勝負。そして鈴ケ森が上演される。それにお駒、お絹がからんでたのしい舞台を見せてくれました。
又、幕が開いて雷蔵さんが三度笠片手に出て来ると、ワーともキャーとも云えない声がおき、さっそうとした男前に驚くのですが、気の毒なのは、その男前を引き立て役のからみの人達、連日やられっぱなしで、体中ミミズバレやあざがたえないとか・・・・。
こうして三本のお芝居いは、雷蔵さんのために八月はいつも休まれる寿海さん、淡島千景さん、それに新派の方々がおつきあい下さったたのしい舞台でした。
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