裕福な町人と高名な遊女の間に生まれた世之介は、7歳で侍女に戯れかけ、8歳で年上の従姉に恋文を送り、9歳には女の行水をのぞき見し、10歳で美少年を口説く。11歳で伏見の遊里で見出した浪人の娘を親元へ帰し、12歳で風呂屋の湯女、13歳で茶屋女と契る。
14歳で仁王堂の飛子と戯れ、15歳で京都の後家と契り、子どもができると逃げる。(この子どもが『諸艶大鑑』の世伝となる。)16歳で人妻に恋慕して手傷を負い、17歳で木辻の遊里に遊ぶ。18歳、若狭・若松に馴染み、うどん屋を開くが落魄。19歳、色好みを理由に勘当されて出家するが、長続きせず、20歳で大坂に戻って裏長屋の娘と結婚する。
21歳で謡うたいとなって富豪楽阿弥に拾われ、22歳で九州に下り、23歳で大坂の蓮葉女にうつつを抜かす。24歳で大原の女と契り、25歳で佐渡に向かう途中の寺泊の遊女に戯れる。26歳で坂田へ出て、27歳で塩竃へ行き、舞姫を口説くが、その夫に片小鬢を剃られる。
28歳、信州追分で咎められて入牢。隣の牢の女と恋仲となる。29歳、女を連れて逃げる途中、女の親族と争って失神。女は死亡。30歳、かつての念友の家に泊まるが、女達の怨念に苦しめられる。31歳で奥女中の慰み相手となり、32歳で京都に上って色遊びを楽しみ、33歳でで島原に行くが太鼓女郎にまで振られる。34歳、泉州佐野で船遊びの途中で遭難。父の死によって大々尽となる。
35歳、吉野太夫を妻とする。36歳で大津芝居を見学し、37歳で室津の遊女に心惹かれ、38歳で滝井山三郎と僧侶との恋を取り持ち、39歳で堺袋町、40歳で安芸宮島の遊里を見学。41歳、旧友と楽しみのない一夜を過ごす。
42歳、三笠と馴染む。43歳、夕霧と忍ぶ。44歳、藤波の一途な思いを知る。45歳には遊女の裏面を知り、46歳には初音の座配に感心し、47歳には吉田にやり込められる。48歳、2人の男を鮮やかにもてなす野秋に感心する。
49歳、高橋を愛し、50歳には京都中の末社を集めて豪遊。51歳、料簡の悪い遊女を懲らしめ、52歳で高尾太夫と忍び、53歳で和州と親しくなり、54歳で吾妻と契る。55歳の菊の節句には新町・島原と遊ぶ。
56歳、岩清水への厄神参りの夜宮に趣向を凝らし、57歳、小柴に逢う仕立物屋十蔵に同道、58歳で新町から島原へ移った吉崎の水揚を引受け、59歳には丸山で豪遊。60歳、ついに女護ヶ島へ船出する。 |