雷蔵に迫った小林
★ブルーリボン賞選考経過
今年のブルーリボン賞が決定したが以下はその選考経過
いちばん話題になるのは、やはり主演賞。男優は『炎上』『弁天小僧』などの市川雷蔵(大映)と『裸の大将』の小林桂樹(東宝)がせりあって雷蔵の勝ち。高橋貞二(松竹)も『楢山節考』でかなり点をかせいだ。女優は『白鷺』『彼岸花』の山本富士子(大映)に対し、『裸の大将』の新人丘さとみ(東映)がわずか一点差まで迫ったのは大したものだ。
助演賞のうち男優は圧倒的に『炎上』『鰯雲』の鴈治郎(大映)にきまった。これにひきかえ女優のほうはどんぐりの背くらべ(?)で、結局渡辺美佐子(日活)に落ちついた。
新人賞は今村昌平(日活)と沢島忠(東映)の二監督が猛烈にせりあったが、現代劇畑という地の利をえて今村に軍配が上った。このほか東宝の団令子もかなりの票を集めた。大衆賞はさきに長谷川一夫、片岡千恵蔵、市川右太衛門、渡辺邦男監督などベテランが受賞しているが、今年はぐんと若返って中村錦之助に決まったのが注目される。
(59年1月19日付の新聞切抜より)
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