「剣は心なり」

 剣聖島田虎之助よりその言葉を聞き正剣に初めてふれた竜之助は剣に迷いをもつ。 雷蔵さんと島田正吾(新国劇)さんとは初顔合せ。

 空虚な生活の中にあって竜之助は自らの手で妻お浜を殺す、薄暗い光の中でにぶく光る刀が印象的な場面であった。

音無しの構え・・・

 この作品の見せ場御簾の間。見えない糸につられて不思議な運命に狂乱して行き手当り次第に御簾を斬る。雷蔵さんの縁起も最高という所。

よ志哉20号 60年11月発行より