「アメリカ人のエネルギーに驚きました」
帰国したとたんに撮影に入る忙しさ
−旅行のコースは?
「サンフランシスコから、ニューヨーク、ワシントン、ラスベガス、ロサンゼルス、ハワイとまわってきました。僕は、はじめ、アメリカより欧州へ行きたくて、アメリカなんてつまらんところ−と思っていたけど、しかし、行ってみると、やはり、一度は行ってみるべきところだったと思いましたね。とにかくあの最高の文化、最高の設備、芸術を愛する気持ち、あのエネルギーといったものがどこから出てくるのか−とても勉強になりましたね。短い滞在の間で、それはつかめなかったけど・・・とにかく、僕らがいくら話すよりも、一度行ってみることですねえ・・・」
と、腕組みをして考え込む。
−ハリウッドで撮影所へ行きましたか?
「MGMのスタジオだけ行ったけど、『サーカス・ボーイ』っていうテレビ映画を撮っていただけで、ほとんど参考にならなかった。ほかの撮影所では、岡田英次さんがマーロン・ブランドと共演している『醜いアメリカ人』なんかやっていましたけど、撮影所まわりばっかりしているのも能がない話なので行きませんでした。現在、アメリカではそんな状態でほとんど映画は撮っていないらしく、どこの撮影所もテレビ映画に追われているらしいですよ」