観客の声は大切です
伊奈川: あの様に云う事はいい面もあり、マイナスでもありますね。でもこの頃は勝さんが良くなって来て・・・ライバルとして。
人見: いいですね。
角田: もう少し若い俳優さんを売るという事をなさらないんですか。
伊奈川: せっかくいても使い方をまちがったりしてねェ。
角田: 若い人は上手に宣伝してあげて下さいねェ。
人見: 今どんどん新人が出て来ているでしょ。高田美和とか、多伎瑛子。
林: いくら宣伝したくても作品のバックアップがないとねェ・・・ですから、宣伝は絶対のものとはいえないわけですよ。
小木下: 宣伝会議で若い人の発言の場所はあるんですか。
人見: ええ、あります。
司会: 私個人の意見ですけど、モニター制度を全国的に作ったらいかがですか、そしていろいろデータを作っては。
林: 制度としてはないけれど、館主がその役割をしている。観客の最大公約数的な声を伝えてくれますから。
人見: 館主が観客の意見を会社に聞かせてくれるんです。
伊奈川: 市川雷蔵後援会の意見も聞いて下さい(笑)
人見: 全部聞いていますよ。専務は自分のモニターをもっていて聞いていますよ。
司会: 私達は宣伝部のモニターになりましょうか(笑)
人見: いろいろ組織があって、意見がだんだん上の方に伝わっていくんですよ。
角田: 伝わって行くんですか。
小木下: 宣伝試写は業者とか通信の関係ばかりですか。
人見: だいたいそうです。
小木下: それを一般の人もやったらいいんじゃないですか。
人見: ただしものがよくなければいけませんよね。やるんなら・・・。
小木下: 大きいポスターが少ない様ですけど、タイアップでやられたらいいんじゃないですか。
人見: ポスターのタイアップは主に電車の中吊だけですね。それが大きいと作品の品位をそこねますからね。
小木下: 『私は二歳』はとりやすいんじゃないですか。赤ちゃんがあいてだからほほえましいし・・・。