大映京都、正月第一週に封切られる『初春狸御殿』(監督木村恵吾)は、市川雷蔵、若尾文子、勝新太郎、中村鴈治郎らのキャストに、水谷良重、松尾和子、藤本二三代、神楽坂浮子、マヒナ・スターズ、OSKなどのバラエティーにとんだゲストを加えて、追い込み撮影を続けているが、この映画でおイロ気を担当、大いにお正月のファンを悩殺しようと張り切っているのが日劇ミュージックのプリマ・ヌード小浜奈々子、大映のグラマー毛利郁子の二人である。

 スクリーンでは。絶対ダレにもひけはとらない・・・と豪語する毛利と、ステージなら私のものよ・・・とそのグラマーぶりに自信満々の小浜奈々子との二人が、この映画に初出演して。全国のファンに甲乙をつけてもらおう・・・と大変なハナ息。

 二人は、ともにカッパの精にふんして、カチカチ山の沼から顔を出し、ご自慢の肉体をパっとさらけ出して、大いに踊りまくるわけだが、青いナイロン製のカミをながながと垂らし、これでオッパイを巧みにかくし、同じナイロン製のノレンのような腰まきをつけた二人は、「扮装のナイロンが重くて仕方がないのよ」とボヤキながらも、ライバル意識をもやして負けじ劣らじとセット一パイにあやしい雰囲気をかもし出していた。

(デイリースポーツ・大阪 12/15/59)