三度目の意欲作

 雷蔵さんと市川崑監督とは『炎上』『ぼんち』に次いで三回目の顔合せ。崑監督は雷蔵さんの主人公丑松を強く希望して実現した作品だけに期待は大です。

初顔合せ

 長門裕之(日活)さんとは初顔合せ。撮影所内では雷蔵さんの好敵手として大いにお二人の演技が注目され、関心事の一つになっている様子です。

雷蔵さんの新しい相手役

 新人藤村志保さん。彼女は雷蔵さんの推薦で演技研究生から一躍、相手役に・・・明るく近代的な感じのする彼女、今後も立派に成長されます様に。
 

瀬川丑松のよき友

 丑松のただ一人の友、土屋銀之助。だが彼も部落民を軽視するのを知って淋しかった。しかし、丑松が部落民である事を告白した事によって、丑松と銀之助の友情は一層かたく結ばれて行く。

丑松が尊敬する師

 薄暗い本屋に入って来る丑松。素早く猪子蓮太郎の「懺悔録」を買う。「我は部落の民なり」という書き出しの一行が丑松の肺腑を抉る。

丑松の心の支えになるお志保!

 丑松の孤独な淋しさと部落民としてたえずおびえていた気持。そうした丑松を、どんなにかつらかったでしょう、といいきる志保。志保の存在は丑松にとって一筋の巧妙の様に思えるのであった。

 

   

Top Page