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 伊藤大輔監督、市川雷蔵主演でこのほど撮影を開始した大映のお盆映画『ジャン有馬の襲撃』に、さいきん松竹を離れて、フリーになった坂東蓑助が、徳川家康の懐刀、本多上野介正純の役で、珍しく大映の時代劇に初出演している。

 フリーになってから、蓑助はラジオ、テレビと引っ張りだこの忙しさ。このところ仕事は東京、住いは京都といった二重生活がつづいているが、その忙しさを縫って、伊藤監督、雷蔵らと打合せを行った。伊藤監督と蓑助は古いなじみで、松竹下加茂時代『鷲ノ王峠』で初めて映画にひっぱり出したものだ。

 伊藤監督は「蓑助さんとは二十数年来のなじみだ。あなたは若いころ、フケ役がよく似合いましたが、齢をとるに従って二枚目が似合うようになりました」と冷やかされた蓑助は"イヤー"と頭をかきながら、「久振りに先生の作品に出られるので大張切りです」とまことに元気。主人公有馬晴信にふんする雷蔵とも、これまた師弟関係の古いなじみ。雷蔵が武智歌舞伎時代の校長先生だ。蓑助校長しみじい雷蔵の顔をながめながら、「雷蔵君も大きく成長したものだ。映画のほうじゃ君が先輩格だよ。いろいろご指導願いますよ」とイヤ味のない愛想をみせれば、そばから伊藤監督が、「そうだ、雷ちゃんは『弁天小僧』でつき合ったが、大変な芸熱心だ。こんどもイジメルからネ」と、三人三様なつかしく、祖

 

フクスポ 06/05/59