大晦日
この日は日本でいえば大晦日なのだが、日本のそれとは違って、底抜けに明るく楽しい。昼間から威勢よく花火が鳴り、五色玉がはじけ、何千という人が歌い、踊る。この騒ぎが夜まで続いて、いよいよ元旦を迎える十二時近くになると最高潮に達する。
人々は純白のタキシードを着て街中で『蛍の光』を奏で歌う。そして十二時になった途端、また盛んな爆竹、花火。広場に集まった人々はお互いが知っていようがいまいが、おかまいなく会う人ごとに「ハッピー・ニュー・イヤー」といいあう。もうその頃は、ホノルルの街は花火の煙でいっぱいになってしまう。こうして元旦の朝、四時ごろまで楽しく新年を祝うのだ。
なるほど、こういう年の迎え方もあるのかと驚いてしまう。ボクも一時過ぎまで、同行の福山、松岡の両氏やファンのみなさんとともに楽しく過ごした。
(平凡60年3月号より)
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