刺青を描くようになると、市川雷蔵、勝新太郎、米倉斉加年、橋幸夫など、多くの芸能人や芸能関係者との交流が始まった。当時の芸能界は、「カツライス(勝と雷蔵)」ともてはやされた勝新太郎と市川雷蔵が、人気を二分していた。
赤松は、銀幕の大スターの一人、市川雷蔵の背中に刺青を描くことになった。雷蔵は、それまでになかった技法を駆使して描く赤松の刺青を、大層気に入った。一方、誰彼の隔てのない思いやりや気配りをする年下の国民的大スターの姿を見て、赤松は親しみを越えて尊敬の念すら抱くようになった。
やがて二人は、絵描と俳優という枠を越え、お互いを認め合い、敬い合う間柄になった。こうして、赤松が言うところの、不似合いな「美男と醜男」の付き合いが始まった。
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