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『カナザワ映画祭2009 新世界秩序サバイバルガイド』

9月19日(土)〜25日(金)

―カナザワ映画祭2009開催に際して―

 2008年9月に開催した「カナザワ映画祭2008フィルマゲドン」では、社会問題や世の中の不条理、不正といった、ある意味ネガティブな題材の作品を多数選定し上映した。あの頃はまだ表面的には世の中の状況が今ほどはひどくはなく、根拠のない楽観的な気分もある時期であった。そのため、「今は浮かれているが世の中には知られていない様々なひどいことがたくさんあるのだ」と知らしめる目的で作品選定を行った。

 だが、映画祭が予言したのか、開幕した9月13日(土)に金沢近郊の町で通り魔による大量殺傷事件が発生、犯人の男は映画祭スタッフのご近所さんだった。さらに映画祭の盛り上がりがピークを迎えた15日(月)にはリーマンショックが勃発。世界は大不況の奈落へと落ちていったのだった。この不況は2009年7月現在もよくなる兆しもないままである。このような世相ではひたすらポジティブな映画を選定し上映する他はないと決意した

 。したがって、今年は「カナザワ映画祭2009新世界秩序サバイバルガイド」と銘打ち混迷する時代を生き延びるヒントが詰まった作品や、強い意志で新しい時代を作り上げるポジティブな決意に溢れた作品を、それぞれの作品同士が対立する思想や主義であっても一切関知せず、SF、 伝記、宗教、ドキュメンタリー、アニメーションなどジャンルも問わず多数集めて上映する。

 各作品の主義主張自体にこの映画祭は賛同も否定もしない。が、これらの作品から溢れている硬い肯定的な決意だけは間違いなく本物である。かのインド独立の父である非暴力主義者ガンジーはこう語った「あなたの夢は何か、あなたの目的とするものは何か、それさえしっかり持っているならば、必ずや道は開かれるだろう」と。この映画祭が参加者になにかを残し少しでも世界が変わるきっかけとなるならばこれ以上の喜びはない。

映画祭公式HPより

 

9月23日(水)15:45〜 於:金沢21世紀美術館シアター21

『釈迦』1961年 日本
156分 カラー 35o
監督:三隅研次/脚本:八尋不二/音楽:伊福部昭/演奏:東京交響楽団/出演:本郷功次郎、勝新太郎、市川雷蔵、山本富士子、京マチ子、川口浩、中村玉緒、叶順子

 「天上天下唯我独尊」紀元前5世紀インド、小国の王子シッダルダは民衆の悲惨な境遇やバラモン教の矛盾を知り、裕福な生活を捨て修行の旅に出た。悪魔の誘惑を退けついに悟りを開いたシッダルダはブッダとして生まれ変わり民衆に教えを広めるが、ブッダと仏教に激しく嫉妬するバラモンのダイバダッタ(勝新太郎)は権力を悪用し仏教徒を弾圧する。バラモン神殿の崩壊など大画面で見る数々のスペクタクルシーンと人海シーンは圧巻。

詳細はかなざわ映画の会