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生誕百年 映画監督 黒澤明

Akira Kurosawa at his Centenary

概要:世界の映画史に峻厳とそびえ立つ巨人―黒澤明。生誕百年の節目にあたるこの2010年、フィルムセンターは上映会と展覧会という二つの企画でその偉業を顕彰します。
 1910年東京に生まれた黒澤監督は、青年期には画家を目指しましたが1936年にP.C.L.映画製作所に入社、山本嘉次郎監督を師と仰いで助監督修業に励み、1943年の『姿三四郎』で演出家としての道を歩み始めます。戦後は、厳しい世相を見つめながら『酔いどれ天使』(1948年)などで頭角を現し、1950年の『羅生門』は翌年のヴェネチア国際映画祭でグランプリを受賞、日本映画の高い芸術性を海外に知らしめました。以降、『生きる』(1952年)、『七人の侍』(1954年)、『蜘蛛巣城』(1957年)、『用心棒』(1961年)、『天国と地獄』(1963年)など多彩なジャンルにわたる骨太の傑作群は、つねに日本社会の話題であり続けたばかりか、各国の観客から強く支持され、世界の映画人にインスピレーションを与えてきました。後年には『デルス・ウザーラ』(1975年)や『乱』(1985年)といった国際的な連携による大作にもチャレンジし、その名声は永遠のものとなっています。
 この展覧会では、黒澤プロダクションの特別協力のもと、監督の仕事ぶりを示す貴重な写真類や台本、愛用品を展示するほか、黒澤組の名スタッフが使用した撮影資料、さらに黒澤監督資料のコレクターである槙田寿文氏所蔵の海外版ポスター・コレクションを一挙に紹介いたします。また、本年フィルムセンターに寄贈された黒澤映画の名優・志村喬の旧蔵資料を初めて公開する機会ともなります。濃密な黒澤映画のバックグラウンドに迫る、この稀有な企画にご期待ください。
脚本作品
11/26(金) 7:00pm 12/26(日) 11:00am  
殺陣師段平[1962年]
(86分・35mm・カラー)

1950年(東横)、1955年(日活)に次ぐ、同名戯曲の3度目の映画化で、1950年版と同様に黒澤が脚本を担当した。中村鴈治郎(段平)と市川雷蔵(澤田正二郎)との共演が見所だが、お春を演じた田中絹代はじめ、山茶花究、上田吉二郎、浪花千栄子等の魅力的な脇役たちの演技も楽しめる。

'62(大映京都)(監)瑞穂春海(原)長谷川幸延(脚)黒沢明(撮)今井ひろし(美)加藤茂(音)高橋半(出)市川雷蔵、中村鴈治郎、高田美和、田中絹代、山茶花究、上田吉二郎、須賀不二男、深見泰三、真城千都世、浪花千榮子